詩⑪
君と別れた帰り道 空が燃えていた
幼い僕らは 互いの熱を抑える術もなく
この空をキャンバスに 全てをぶつけた気になった
泳ぐ雲が 柔く心の炎を消化した
大人になるってなんだろう
爪先立ちでなろうとしたものってなんだろう
僕らを縛るものってなんだろう
この燻る熱の消し方を教えてください
空が燃え尽きた後 雲が留まり闇に染まった
あの瞬間の欲望が 一緒に消え去った気がした
勿体無いようで 君の匂いを思い浮かべた
子供のように求めるしか出来なかった
僕が目指す大人ってなんだろう
子供の僕は何を見たんだろう
道行く大人って大人なんだろうか
僕の心は置いてけぼりのままだった
抑えつければ 優越感に浸れた
反面胃が捻れるようだった
無邪気にはしゃげば 何もかも忘れた
馬鹿みたいに幸せだった
空は燃え尽きて 静かになる
新しい世界が始まる
君と会えば 熱が蘇るだろう
僕は 子供にも大人にもなりたかった