至極当然
(…こんなに、時間かかったっけ?)
床まで降りたスキャンの輪が、中々上がってこないなと思い始めた時、光の気配が消えた。
「暫くお待ち下さい」
室内に響く落ち着いた職員の声。
目を開けて見ると、室内は真っ暗だった。
「申し訳ございません。トラブルで転送が途中で中断した様で…」
多分スピーカーがあると思われる方向に、目を向けてみる。
「─ 続きから、やり直させて頂きます」
「…え?」
「お詫びと言っては何ですが、今回の料金は無料と言う事で。」
「ホントですか?」
「3回分の無料券も、進呈させて頂きます」
「し、仕方ないですね。。。」