「歴女先生教えて~パート2」 第三十八話
「いいね、彼が逞しくて」
「あら、朋ちゃん、そんな言い方して。先生は颯真さんの優しさを素敵だと感じるわよ。
何か不満があるなら解決できるようにすればいいと思う」
「そのことは話し合ったんです。颯真が私を大切にしてくれていることはとっても嬉しいです。彼はなにかと話し相手にもなるし、家庭環境のことでも解り合えたんです」
「ならいいじゃないの。未海ちゃんの彼だって男らしいと思うから素敵よね。お互いにないものを持っていると思う。人は中身よ」
「先生、本当のことを言うと、未海が羨ましいと思うのは彼のことじゃなくて、感じる身体だって言うことなんです。私はどうやら女としては未熟というより、出来が悪いように感じます」
「そういう事ね。男性と違って女性はいろんなことが感じるかどうかに影響を与えているので、一概に朋ちゃんが未海ちゃんと大きく違うとは言えないと思うんだけど」
「それは経験不足という意味ですか?」
「そうね、私は夫と初めての時は感じなかった。こんなものかと思えたわ。しかし、時を重ねてお互いにわかり合えるものが生まれてくる。そしてね、自分が感じることより相手が感じてくれることに強い喜びと満足が得られるって言うことに気付かされるの。夫にとって自分が一番なんだって、そう感じられることよ」
「先生、深いですね~ 前に聞いたことがあったように思いますけど、いま改めて聞かせてもらって、少し気持ちが落ち着きました。あなたも経験すればわかる事よ、って先生に言われたことを今実感しています」
「あら、そんなこと言ったかしら。男と女は身体もだけど、気持ちのつながりが何と言っても一番。男子の性欲とは違う女の欲求も心の満足があってのことだからね。未海ちゃんはどうだったの?」
「私は初めてだったのに感じてしまいました。彼に、お前は感度がいいなあ~と言われる始末です。何だか恥ずかしいって思います」
「そう、それは女として素晴らしい事よ。彼さんとも上手く行くと思うけど、二人の会う目的がそこだけにならないようにしてね。男性はどんないい女性でも飽きが来るから、精神面で満足させてあげないと続かなくなるって思うわ」
「ええ?そうなんですか。よく身体目的とか聞きますけど、男の子ってそういう部分がみんなにあるんですね」
「性別があることの意味も含めて自然界の掟ね、ハハハ~」
美穂が自然界の掟だと男性の性を語ったことに二人は顔を見合わせて笑っていたが、内心は笑えない話であった。
作品名:「歴女先生教えて~パート2」 第三十八話 作家名:てっしゅう