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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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珍しいお客様(「お星様とギター」とのクロスオーバー)

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 数日後、いつものようにカッキーこと柿沢タツヤが、お店の休憩時間に遊びに来た。そしたら純ちゃん、珍しいお客様が来た日のことをちょっと自慢げに話し始めた。
「ええ〜っ、ロザリー・メイ来たのかよ!?」
 カッキーもまたロザリーのファンで、何枚かCDも持ってるのだという。
「いいな〜。俺もそんとき店に行くんだったな」
 そう言ったときのカッキーは、本当にうらやましそうだった。そのあと私は、彼女が歌ったあとに泣き出したことを話すと、カッキーは何だか沈んだ顔をした。そして、ロザリーは半年ほど前、ある「悲劇」を起こしたこと、それでユニットが解散して音楽業界を去ったことを教えてくれた。一緒に聞いてた純ちゃんのこんな言葉が、すごく心に残ってる。
「単なる俺の想像だけど、ロザリーは、自分が音楽活動している姿を見るのが嫌な人も居ることを分かってるから、人前で歌うこと自体に罪悪感を抱いてる。でも今回、陽子ちゃんたちは嫌な顔をするどころか、歌声に拍手をくれた。それでうれし泣きしたんじゃないかな」


 きっかけはそれぞれ違っても、途中で音楽から離れた人は、音楽に対する「消えない愛の火」を燃やし続けるものかもしれない。