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ひまっくす
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novelistID. 61093
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脱出ゲーム小説

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「ここに入っとけ。」
無表情で無感情な言い方をされて、僕は乱暴に鉄格子の牢屋に入れられた。
その見回りの人は僕を入れてすぐに何処かに行ったけど・・・

何で牢屋にいるんだ!?

僕は今までいい成績も悪い成績もとった事のない平凡な人間なのにどうして・・・。
そして、僕は犯罪なんかしていない。
此処に入っているのは冤罪と言うものだろう。うん。そうだ。
牢屋の中は薄暗くて寒くて、トイレはプライバシーなんて無視してて、布団はボロいし、
薄いし。絶対ケチったな。
・・・この鉄格子以外の出入り口は、あの小さい扉くらいか・・・
僕はその窓枠を掴んだ。でも、開かない(当然か)
開かない理由はそこに南京錠がかけてあったから。
そんなとこえろに金かけるなよ・・・
そうだ、見回りの人は(たぶん)1時間に一回くらいこっちに来るはずだ。
それまで鍵は手に入れられない。
「ふぅ・・・参ったな・・・」
そう呟いた。でも、牢屋に寂しく反響するだけ。
・・・反響?それだけか?
向かいの人は?いないのか?
僕は向かいをみた。すると・・・
---白骨死体だ。
僕は、背筋が凍った。
僕も脱出できなかったら・・・と思ってしまう。
いや、落ち着け自分。
あの骸骨は偽者かもしれない。
プラス思考でいこう!オー!
・・・それにしても服を着たまま死んでいるらしいな・・・
靴が片方ないのは気になるけど、文字通り「やるべきことはやり遂げた」
ってことなのかな。
「さぁ、どうしようか・・・」
本当に、どうしよう。
呟いたのはいいけど、何にもないし・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・寝るか。
僕は寝ようとして布団の中に潜った。
「固ッ!!!!!!」
コンクリートってこと忘れてた。本当に痛い。ヤヴァイ。
「たくっ、買えよな。新しいの」
とボソッと言って、布団をちらりと見ると・・・
穴が開いていた。摩擦で開いたのか?
その中からは・・・・・鍵?
何処のだろうか?確信はないが、これはきっと・・・
僕は小さな窓に近づいた。あの南京錠に鍵を差し込む。
カチャリッ
と小さな音を立ててそれは開いた。
「よっしゃ」
僕も小さく呟いた。見回りの人が近くにいたら厄介だから。
僕は足を窓にかけ、外に出る。
グインッ
「えっ」
僕は肝心な足元を見ていなかった。僕は頭から落下しそうになった、
いや、落下した。
「うわあぁぁぁぁぁあああ!?!?!?」
パニックになって何が何だか思い出せないけど、着地は成功したと思う。
だって、落下して記憶が吹っ飛んじゃったから。
気がついて、目の前を見ると、病院か何処かの天井があった。
僕は今、ベットの上にいる。
近くに先生らしき人と、おばさんが立っている。
先生はこう言った。
「おぉ!十年の眠りから目が覚めたぞ!奇跡だ!」
近くにいたやさしげなおばさんは泣きながら、
「植物状態から・・・よくもまぁ・・・」
僕はまだ眠っている脳で思った。
僕は、今まで何をしてたんだろう。
そして、僕ハダレダ?

意識はそこで途切れ僕は永遠とも言える、長く深い眠りについた。
もう、二度と起きないだろう。この夢からは・・・・。
作品名:脱出ゲーム小説 作家名:ひまっくす