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てっしゅう
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「歴女先生教えて~パート2」 第三十四話

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「うん、向こうのおじいちゃんやおばあちゃんは私の事大事にしてくれているから、この先合わないとなると悲しむんじゃないのかって思うと、どうしたらいいのか悩んじゃうの」

「ちょっとうちのおばあちゃんに聞いてみよう」

朋美はそう言って、未海と一緒に居間に降りていった。

「あら、どうしたの二人とも」

「ねえ、おばあちゃん、聞いて欲しいことがあるの」

朋美はそう言って未海から聞いたことを話した。

「あら、そうだったの。考えたら朋美も直ぐに同じような気持ちになっちゃうかもしれないから、ここはしっかりとしないといけないね」

「ええ?どういうことおばあちゃん?」

「だって、お母さんだって、新しいお父さんとの間に子供が出来るかも知れないじゃないか」

「まさか!私も居るし、孫までいるのよ」

「お義父さんにしてみれば自分の子供じゃないから、欲しいかも知れないよ」

「そうか!それでお母さんは私を連れてゆくと言わなかったんだ」

「お義父さんと一緒になる時にその約束をしていたのかも知れないね。あの人も罪な人だよね~本当に・・・」

未海は自分が持ち込んだ話で朋美の家の内情が知らされて何だか悪い気がしていた。
朋美の祖母は血縁関係というのはどんなことがあっても一番強いから、そして遠慮することではないから、今まで通りに亡き母親の実家へ遊びに行くといいよと話した。

美穂は前回キリスト教とゾロアスター教について授業をしたが、大切なあと一つの宗教の話もしなくてはいけないと考えていた。

「今日は少しイスラム教の話をします。預言者のムハンマドがアラビア半島の商業都市マッカ(Makkaメッカが一般的記述)で、ユダヤ教、キリスト教に次ぐ第三のセム的一神教、イスラム教の布教を始めたのは610年だった。ローマ帝国のヘラクレイオスが皇帝になった年と重なるのね。新しい教えは苦労の連続だったんだけどある程度の定着を見てムハンマドは死亡(632年)する。
彼の意思を継いだ二人のカリフは有能だった。カリフとは預言者の代理人という人物。宗教的な権威は預言者ほどではないんだけど、イスラム共同体の政治的、社会的指導者の地位なの。このカリフ制はムハンマドが死去した時から始まった。
ローマ軍に占領されていたシリアを第二代カリフのウマルは奪取する。続いてエジプトのアレクサンドリアからもローマ軍を撤退させたのね。イスラム軍が強かったのは、勢いに押されてと言うこともあるけど、ローマとペルシャが長く争っていてお互いにクタクタになったところに若くて元気のあるイスラム勢力が勝機を得たという構図だったのよね」

*イスラム教の用語: イスラム(Islam)とはアラビア語で全知全能の唯一神Allah(アッラーまたはアラーとも。ユダヤ教、キリスト教と同じ神様です。それでこの三つの宗教をセム的一神教と呼びます)に絶対的に帰依し服従すること、またはその状態を指します。平たく言えば、「帰依・服従」です。社会生活のすべてを規定するので、イスラム教と呼ばずにイスラムと呼ばれます。
クルアーンとはイスラム教の聖典を指す言葉です。日本ではコーランと呼ばれていました。ムハンマド(Muhammad)とはイスラム教の創始者です。日本ではかつてマホメットと呼ばれていました。(出口治明著全世界史講義より抜粋)