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てっしゅう
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「歴女先生教えて~パート2」 第三十二話

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「だったら、お母さんはお父さんが亡くなってから随分気苦労をしてきたんじゃないのかな。俺んちも母さんは親父の両親、おじいちゃんやおばあちゃんに遠慮しているように見えるからね」

「それはお父さんが亡くなってから、お母さんはおじいちゃんやおばあちゃんと今まで通りに仲良く出来なかった結果、居づらくて出て行ったという事を言いたいの?」

「よく解らないけど、おれの母親も自分の実家に行くと全然イキイキとしているから、やっぱり親父の親には言いづらいことや理解してもらえないことがあるんじゃないのかな。朋美が子供だった時は我慢できたけど、もう高校生になったから大丈夫だと思われたとおれは察するよ」

「それだけの思いで新しい父のところに出て行ったのかなあ~だとすれば、私に付いて来なさいとは言ってくれなかった理由が解らない」

「それは、朋美がおじいちゃんやおばあちゃんの世話を自分がしたいと言ったからじゃないのか?」

「そうは言ったけど、通いながらでもしようと思えば出来ることじゃない。動けないほど高齢じゃないんだし」

「新しいお父さんだって、お母さんと交際するときに朋美やお姉ちゃんが居ることを解っていたんだから、付いてくることは想像していたと思うんだよ。お母さんもそうするつもりだったけど、朋美の残ると言う言葉に逆に感謝していると思うよ。自分のことを気遣ってくれたんだと」

「私が気遣った?お母さんに?」

「ああ、一応新婚だからね」

「それは無いと思うわ。きっと二人きりで暮らしたかったんだと推測する」

「ずっと子育てして、両親の世話もして、自分が解放されたかった気持ちはわかるよ。おれの母親だって同じに違いない」

「颯真がそこまで理解できているだなんてすごいわ。私は同じ女なのに母親の気持ちが解らなかっただなんて恥ずかしい」

「母だと思う気持ちが強かったから、気づけなかったんだよ」

「うん、先生にも言われたけど、お母さんも女なんだって。颯真に言われてお母さんの本心が見えてきたように感じる。話せてよかった」

朋美はそっと肩を颯真に寄せた。