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てっしゅう
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「歴女先生教えて~パート2」 第三十二話

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新学期を迎えて、初めての日曜日に朋美は颯真とデートをしていた。
夏休みの旅行中に自分のとった態度を謝りたかったことと、自分の家のことを少し理解して欲しいと話そうと考えたからだ。

二人はまだ日差しが強い公園のベンチに座って話をしていた。

「颯真、旅行は楽しかったね。美穂先生のこと正直にどう感じた?」

「ああ、楽しかったよ。先生は素敵な人だと感じた。旦那さんの拓真さんも男として見習うべき先輩だと思えたよ」

「そう、なら良かった。正直に言うけど、あの時に未海たちが羨ましいと言ったことを謝りたいとずっと思っていたの。母親のことで精神的に落ち込んでいて、心にもないことを口走ってしまったわ。あなたを傷つけてしまって本当にゴメンなさい」

「朋美が辛い気持ちだったことは見ていて感じていたけど、その気持ちを慰めてあげられなかったおれの方が悪かったよ。気持ちは誰にも負けなかったんだけど、そのう・・・我慢出来なかった」

「ううん、そんなことを責めているんじゃないのよ。誤解しないで。私は颯真の全部が好きなの。あなたの思いが受け止められなかった自分が少しでもそこに居たという事が情けないって感じたの。未海は甘え方が上手いからきっと佑太さんも可愛いって感じていると思う。自分もそうしたいけど、なかなかマネが出来ない。母親のことが納得できる気持ちになれたら救われるんだけど」

「おれは自分のことしか、自分がしたいって言う気持ちが勝って朋美の思いを考えられなかった。余裕が無かったこともあるけど、これからは頑張るから嫌いにならないでくれ。お母さんのことも一緒に考えられたらって思うから良かったら話してくれよ」

「颯真・・・無理しないでいいのよ。こんな女を好きになってくれる人なんていないと思うわ。見た目も女らしくないし、性格も悪いし、いつまでもぐずぐず言うし。
私ね、未海にも言ったんだけど、今の学校を出たら上に進んでもっと看護や介護のことを勉強したいの。お母さんにもそのことは話した。お金は新しいお父さんが出してくれるって言うから、甘えなさいっても言ってくれた。その時に、私のお父さんことはもうすっかり忘れているのよね?と尋ねたら、こう言ったの。あなたにはいつまでもお父さんだけど、私にはいつまでも夫じゃないのよ、って。男と女は好きかそうではないかのどちらかだから、親子とは違うって」

「お母さんが言いたかったことは、亡くなった朋美のお父さんは自分にとってはもう関係ない人になっているという意味なんだろうか。いま一緒に住んでいるおじいちゃんやおばあちゃんは、お父さんの親なんだろう?」

「そう、父親の両親なの」