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てっしゅう
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「歴女先生教えて~パート2」 第三十話

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楽しい時間と言うものはあっという間に過ぎるものだ。
未海と朋美の計画した名古屋への旅行も帰る時間が迫っていた。
名古屋駅まで美穂に送ってもらって、二人は富山行きのしらさぎ号に乗車した。

美穂は拓真の実家で一晩を過ごし、息子が待ち焦がれているだろう母親の家に向かってしらさぎ号に乗った。
六人で居る時はそれほど感じなかった息子への思いは、車窓から日本海が見える頃になるとより強くなってきた。母親として少し申し訳ないとの思いが募る。

夏休みも残り少なくなって、未海は朋美の家を訪ねていた。
愛想の良いおばあちゃんが挨拶に出てきて、快く中へ通してくれた。

「朋美、颯真さんとはどうだったの?」

「ええ?どうって」

「仲良くしたんでしょう?どうだったのかって気になったから」

「未海の声が聞こえたよ。羨ましいって思った」

「イヤだ~そうなんだ。佑太さんが、隣は静かだから声を殺しているんだろうって言うもんだから、私もそうしようと思っていたんだけど・・・」

「声なんか殺してなかったよ。未海のように感じられなかっただけ」

「そうなの?私の方が変だったって言うこと?」

「それは解らない。相手次第なのかって思ったりする」

「ええ~そんなこと考えたの?」

「颯真は優しいけど、男っぽさが足りないから、そういう部分には不満を感じるけど、だからと言って嫌いになったり、他の人を探そうなんては思わないよ」

「当然よ、彼なんだから。私は初めてなのに感じちゃったから、彼がというより自分がそういう体質なのかも知れないって思えるの。佑太さんもそう言ったしね」

「ふ~ん、そう言うものなんだね。だとしたら私は感じない方だったのかも知れない。未海は可愛いし、女として得をしていると思える。何だか自分が惨めに見えてくるよ。それに母親のこともあるしね」

「朋美、そんなことないよ。颯真さんの思いに応えて行けば感じられるようになると思うわ」

「未海はもうそんなことが解るようになったの?」

「そうじゃないけど、そう感じたから言ったの」

「実はね昨日母親に会いに行ったの」

「そう?それで話せたの?」

「まあね。はっきりとは言ってくれなかったからなんかもやもやとしている」

「お母さん、あなたを心配させたくないと考えられたんじゃないの?」

「心配させる?って言うことは真実を話せば傷つくという事になるのよ」

「それはそうだけど、すべてを話す必要が無いと思われたんだわ。今が自分にとって大切な時間だし、新しいお父さんへの遠慮もあったと思うけどなあ~」

「未海は楽観的に物事を考えられるのね。そこが私と違う。颯真のことだって、頑張ってくれていたのに不満を言ったりして、今思うと悪いことをしたと思う」

「ええ?不満を言ったの?」