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鬱体験記。(認知行動療法有り)+追記

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精神疾患に陥る






A型就労施設というのは、原則週20時間、月80時間という労務をこなすことで、次へのステップアップを手助けしてくれるシステムです。

学校も休みがち、だった私も、入った当初は週5~6の4時間勤務、休憩30分で働いていました。そこはパン屋さんだったのですが、イメージと違ってかなりの肉体労働でした。入社したてのころはミスするたびに「自分のせいでお店の利益が・・」とか「自分の存在は役に立っているのだろうか」とか「私に払う人件費より、もっと有能な社員と入れ替えたほうがよほどいいのではないか」とか考え泣いてばかりでした。
しかし、正社員の皆さんはとても心優しい方ばかりで、そんな私を腫れ物にさわるように気遣ってくださいました。

気付けば私は社員の中で一番仕事が出来る様になっており、色々な業務を任されました。

ところが、翌年入って来た新入社員によってすべてが崩壊しました。

その新入社員は、研修の頃から怪しい発言をしていて、私以外の社員を「うるさい、うざい」と愚痴り、正社員や社長はほめちぎる。
研修の身でありながら、既にその様な極端な二面性を持っていました。

彼女が入社すると、これまで笑顔だった私達社員は溜息を吐く事が多くなりました。
彼女は、社員の私達に入社して早々攻撃するようになったからです。
悪口を言い降らかし(正社員のも)、態度も悪く、仕事中に大声で笑いふざける、気分屋、不機嫌だと誰の言葉も無視をする。

悪行が目立ち、何度も社長と正社員の間で会議が行われました。

その中で、特に彼女の目の敵にされたのが私でした。
理由は、笑顔で仕事をしていて幸せそう、自分より仕事が出来るからだそうです。
上記の理由は正社員の方に教えてもらいました。
された事は、無視、ぶつかられる、睨まれる、皆に私を嫌うように仕向ける、直接悪口を言ってくるなどでした。

でも、こんな事は社会で生きていれば誰しもが一度は経験することだと思います。本当ならば、先輩であり、年上でもある私が耐えねばならない事だと思います。若しくは、彼女は後輩なのだから、直接言ってしまえばいい話です。

けれど、私には抵抗できない2つの理由がありました。

それは、彼女が小学校の途中から兄弟3人と施設暮らしをしていたという事です。
母は幼い時に失踪、父は彼女や兄弟を実家に預けその後施設に預けた。という訳です。(お父さんは現在彼女に会いに行ったり、ご飯を共にしたりする関係の様です)
二つ目は、彼女が軽度発達障害出るという事です。

この二つの事情は、彼女の問題行動に深く直結しております。
つまり、致し方ない事なのです。

正社員さんや社長は彼女の事情を考慮し、問題行動を注意することは殆どありません。
例えば、私が耐えきれずに「辛い」とこぼしてもこう言うのです。

「気持ちは分かるけど、彼女も辛い環境で育ったんだから。」

私は、どこに手を伸ばせばいいのか分からなくなりました。
彼女のサンドバッグ、ストレスの捌け口にならなければならないんだと考えるようになりました。
彼女が入社して1年が経とうとした頃、私はとうとう爆発しました。
それは、とどめの一言でした。

「sorさんの仕事は後輩の私でもできる仕事。誰でもできる。sorさんの代わりはたくさんいる。寧ろいなくたって仕事はまわる。だから、sorさんが皆に褒められる意味がわからない」

それを言われた時、私は掃除の為に使っていた雑巾を絞りながら

「そうなんだよね~。何で褒められてんだろうね」

とニコニコ笑いました。何も感じることが出来なかったからさっと笑顔を作れました。

その日は引き摺らず、何事もなく帰宅しました。

しかし翌日、手を殺菌していた時、ドキドキと動悸が私を襲いました。
仕事中も不快感が続き、頭も霞み、疑問に思いながら業務をこなしました。

それから一週間。謎の動悸は毎日していました。気付けば私は涙が溢れ、意識が「死ぬしかない」という思いに向けられ周囲の声が聞こえなくなっていました。倦怠感、頭痛、力が入らずフラフラする、過呼吸。そのような症状のまま数か月が経ちました。仕事は、休みがち、もしくは早退させてもらっていました。

耐えきれず、精神科に自ら受診しました。
一通り話を聞いた先生にソラナックスを処方してもらい、仕事前はそれを飲んで辛い精神症状を落ち着かせていました。
ところが薬というのは慣れてしまうもので、段々と効かなくなり、前述した症状に加えて乖離もする様になりましたし、首を吊る、アムカ、ネックカット等もしていました。
乖離というのは、謂わく「意識は無いけれど手は動いている状態」らしく、私も難なく業務を行っていたつもりが、その間の記憶がぽっかりと抜け落ちる事が増えていきました。ミスも増えましたし、声も出なくなり、返事ができなくなりました。(頷くことはできる)
流石に正社員さんやオーナーさんも心配し、仕事中休ませてくれたり、早退を促してくれたりしましたし、話も聞いてくれました。

私の中で、3年は仕事頑張るぞ!と思っていましたが、身体がついていかなくなりました。
もう迷惑はかけれない、と思いました。

精神の担当医に相談すると「sorさんは自分でそういう判断が出来るから、大丈夫だよ!仕事も通えてるみたいだし!私にも相談する必要ないよ」と言われました

そうして私は更なる闇に堕ちたのです。

「私は大丈夫(健常な精神)なのに、仕事を休んだり、早退してしまっているのか。本当は頑張れるのに、休む口実を作るために精神症状を演じているのではないか」

世間の皆さんは辛くても頑張っているのに、私はなんて恥知らずなんだ。と思いました。よって、仕事を続けました。

後輩との関係は悪化していくばかりでした。
私が早退、休みがちである事が、優遇されてると感じ不満だったようです。

そして遂に、会社の仲間もうんざりしていきました(その中でも、話の合うお兄さんだけは親身になってくれました。救いでした)

常識的に考えて、周囲がついていけなくなることも当然のことなんですよね。
ここまで経緯を詳しく書いていきましたが、人には其々「許容範囲(理解の範疇)」というものがあります。それは他人の物差しで測れるものではありません。同情してくれ、考慮してくれと言いたいのではありません。
どのような事情であっても、仕事が出来ないで鬱々としている人間は「その場に要らない存在」です。
ろくに仕事も出来ないのに「私なんて~」「〇〇があったから」と延々嘆いている人間、怖いです。とても心配はします、親身にもなりますが、付き合ってるとその世界に引きこまれてしまうのです。
だから、防衛本能で、人は「許容範囲を越えようとしてくる」苦しみに陥る人間を遠ざけようとします。

会社の人は「被害妄想」「後輩ちゃんもsorさんが好きでちょっかいだしてるだけ」と作り笑いで宥めるようになりました。



この就労支援に勤務して3年。会社の人に、仲間に、沢山助けてもらい支援して頂きました、甘えさせていただきました。

けれども、本当に通えなくなってしまいました。