EMIRI どんなに素敵な昨日でも
あとがき
自分を変える決心をした恵美莉に、作者としては女の魅力を感じる。
ネット社会になって、人は周囲に自分を隠して行動することが容易になっている。その上でリアルな人付き合いでは、建前も大事にする。そんな女性たちに魅力を感じると言うのは、曲がったものの見方だろうか。
主人公にはモデルがいるのだが、彼女の名誉のために一言付け加えておくと、僕は彼女の裏の顔は知らない。だから念のため、次の会話を本作のどこかに入れておきたかったのだけれど、必要だったか、必要なかったか・・・
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昨晩ビストロを出た後、桧垣は正面から恵美莉の両肩を掴んで、
「じゃ。がんばって。僕はクリームブリュレをおいしく食べてくれるところを見ただけで十分だよ」
「本当に帰っちゃうんですか?」
「君は素敵な女性だけど、今はフラれる経験もしておいたほうがいいから」
「そんなこと言ったら、先生のこと・・・(涙)」
「また水曜日には、彼氏が出来たって話を聞かせてよ」
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おわり
作品名:EMIRI どんなに素敵な昨日でも 作家名:亨利(ヘンリー)