EMIRI どんなに素敵な昨日でも
二人が“カラオケJOY”に着くと、すでに小峠、佐々木、そしてみのりが二人を待っていた。
「すまない、遅くなって」
小走りに駆け寄る二人に、
「あれ? なんか二人、急に仲良くなってない?」
みのりが言うと、
「ほんとだ。カップルが来たみたいだった」
佐々木が言った。
「二人だけの方がよかったんじゃないのか?」
小峠も言った。
「そんなことないよな。恵美莉」
「みんなと一緒がいいよね。春樹」
三人
「・・・・・・・」
二人
「ウソ! 冗談!」
BOXに入ると、ソフトドリンクを注文した。早速、佐々木が歌い始めて、5人は順にお得意曲を入れていった。小峠はピザも注文したが、その半分をみのりが食べた。
「何だよ俺のピザもうないじゃないか」
「練習上がりだから、お腹すいてたんですよー」
「じゃ、自分で頼めよ」
恵美莉は、みのりとカラオケにはよく来ていた。そこにはいつも颯介も一緒だったが、みのりと歌う曲はいつも決まっていた。二人はいつもの“西野カナ”を歌いまくるのだった。
作品名:EMIRI どんなに素敵な昨日でも 作家名:亨利(ヘンリー)