小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

EMIRI どんなに素敵な昨日でも

INDEX|13ページ/40ページ|

次のページ前のページ
 

 恵美莉は桧垣を信頼している。歳は離れているが、頼れるお兄ちゃんという気がしていた。
「恋愛相談乗ってもらっていいですか?」
「うん。喜んで」
「男の人の行動って見てたら、子供っぽいなって思う事よくあるんですけど、男の人から見ても、女子の行動って子供っぽく見えてるんですか?」
「面白い切り口で聞いて来るねえ。そんな研究した事無かったなぁ」
桧垣は焼鳥の串を、新しい割箸で抜いて、恵美莉が食べやすいようにした。恵美莉は、
「ありがとうございます」
と言って、焼鳥を自分のお箸で摘まんだ。
「女はできる限り、自分を隠そうとしてるって思うんですけど、それが逆に変に思われるのかな?」
「川崎さんは、本心が見え難い性格ですよ」
「それってやっぱり、取っ付き難いですか」
お箸に摘まんだ焼鳥を持ったまま固まった。
「それがね、見た目と性格がマッチしてるから、カッコいいと思うけどな。男でも見た目どおりなら、変に思わないでしょ?」
「うーん。でも見た目がよければすべていいって言うのも、違うって思うんです」
ようやく焼鳥を口に放り込んだ。
「それじゃあ、今気になってる人の事教えてよ」
「気になってるって言うか、まだ昨日知り合ったばっかりなんで、あたしもよく分らないんですけど、小学校の時からの親友が、その彼のこと行っちゃえって言うんです」
「その友達は勢いで言ってるだけでしょ。自分はどう考えて悩んでるの?」
恵美莉は背もたれのない椅子の上で、少し後ろに伸びをして、桧垣から距離を取った。
「その人に彼女がいるかも分らないんで、ましてや好きでもないんですけど、付き合って行ったら好きになるのかなって」
「そういうことってよくあるって、さっき言ったばかりだよね」
「その親友も前に同じこと言ってたんで」
「気にせず突き進めば、少なくとも子供っぽくは見えないと思うよ」
「そうですよね。あたしきっと幼稚なこと悩んでるのに、そう思われたくないだけなんですね」
「要するにそういうこと。後で悩んだり、涙を流す“覚悟”があれば、何でもできる」
恵美莉は、再び前のめりになりながら、
「あ、そうか“覚悟”かぁ、なんか分った気がします」
「ふふん。それが分るようになったら、僕ももっと誘惑したくなるよ」
「ちょっと先生。飲んでるからってやめてください」