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詩⑤

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君が消えてなくなる夢を見た
底がない穴に落とされたような気分だった
光が遠ざかり 目を覚ます
どうしたの、凄い汗って君が笑った

身体が落ち着きなく震える
あんなに恐ろしい事を幻であろうと
体験してしまったのだ
その白い手を握り締め唱える

こわかった こわかった
いい年下大人が幼子みたいに泣く
しょうがないねって吹き出されて
らしくもなく本気になる

それから寝る時は手を握った
温もりに安心して夢は消えた
面倒くさがらず いい夢をって語る様に
あの夢が何を暗示していたのか分からない

知らないままでいいと思った
悪い夢だろうといい夢だろうと
目の前の世界だけを見つめようと思った
微笑む綺麗な君だけがいれば十分だった


陽が沈み月が顔を出す
寝転んで 他愛もない話をする
あんなことあったねと笑いあった
本当はいつだって恐怖なのだ

あの日の様に ぽんと無くなるんじゃないかって
隣から聞こえる呼吸を子守歌に
この日々が続きますように
心の中で繰り返し唱えた


作品名:詩⑤ 作家名:sor