「歴女先生教えて~パート2」 第二十七話
「拓真さん、高木さんって結婚されたんですよね?」
「うん、俺たちが仲を取り持ったという感じかな。一旦は別れたんだけど、離婚した教諭はしばらくして高木の誘いに乗って再会して、再びお互いが必要としている関係だと悟った。両親を説得してようやく結婚にこぎつけた。教諭の息子も賛成したからことは上手く運んだね」
「なんかドラマのようですね。私は父親が再婚したので、初めは新しい母親のことを良く思っていませんでした。父が若い女性に夢中になってしまったんだと感じていたからです。しかし、良く聞くと義母の方が父親を頼りにしたいと強く感じていたことを知りました。求められて、そしてその思いを受け止めて二人は再婚を決めたんだと思うと、自分も好きになって、その気持ちを大切に感じてくれる男性と結婚したいと思っています」
「未海さん、とても大人の考え方だと感心したわ。先生は思われて結婚した方が良いと言ったけど、本当は好きになった人と結婚するのが一番よ。もちろん相手も好きでいてくれないとイヤだけどね。嫌なことがあったり、辛く感じたりしたときに、我慢できる理由は相手が好きだという思いよ。是非自分の思いを大切にして素敵な恋愛と結婚をして欲しいわ」
この話を聞いて朋美は泣き出していた。
「どうしたの、朋美?」
未海は心配した。
颯真も傍によって手をそっと握った。
「ごめんなさい。未海の話に感動したの。私ね、母親が父のこと変に思っていて、家を出て行ったんだと考えるようになっていた。浮気でもされたのなら別だけど、死別だったから再婚なんて考えないだろうって。でも、私や結婚している姉を捨てて新しいお父さんのところへ行った母のことが、どんな理由があろうとも許せないの。母は確かにまだ女なんだろうけど、家族というまとまりを壊すほど恋愛に夢中になるだなんて人として失格だと思える」
「朋美、それは言い過ぎだよ」
「颯真には解らないことなの、口出ししないで!」
そう言うと繋がれていた手を振り払った。
楽しい会話がちょっと暗いムードに変わっていた。
「朋美さん、あなたの気持ちは女性なら同じように感じられることだわよ。お母さまが家族を捨てて男性のところへ身を寄せた理由は、身勝手という事とは違うんじゃないのかな。先生は詳しいことが解らないから、そう感じるだんけど」
「先生、実は私もひょっとして亡くなった父親と母親の間に、自分が知らないトラブルがあったのかも知れないと想像はするんです。もし、そういう事があったとしたら、ちゃんと話をして聞かせて欲しかったです。それが無いという事は、わがままだとしか思えません」
「今は悪い方へ考えるんじゃなく、帰ってからしっかりとお母さんと話をして解決して欲しい。それに、颯真さんはあなたを心配して言ったんだから、怒らないであげてね」
「颯真・・・ゴメン」
「いいんだよ。おれが悪かった」
「ううん、違うの。私がわがままなの。思い通りにならないと機嫌が悪くなる悪い癖が出た」
美穂は朋美が颯真のことを心から好きなんだと感じられた。
それは自分が良く見えていたからだ。相手を思う気持ちと、思われている気持に対等に向かい合える関係こそ、長続きする大きな要素だからなのだ。
良く自分のことを棚に上げて人の悪口を言う人がいるが、自分が見えていない人ほど他人も見えないという事になることを美穂は生徒たちに知って欲しいと思った。
「うん、俺たちが仲を取り持ったという感じかな。一旦は別れたんだけど、離婚した教諭はしばらくして高木の誘いに乗って再会して、再びお互いが必要としている関係だと悟った。両親を説得してようやく結婚にこぎつけた。教諭の息子も賛成したからことは上手く運んだね」
「なんかドラマのようですね。私は父親が再婚したので、初めは新しい母親のことを良く思っていませんでした。父が若い女性に夢中になってしまったんだと感じていたからです。しかし、良く聞くと義母の方が父親を頼りにしたいと強く感じていたことを知りました。求められて、そしてその思いを受け止めて二人は再婚を決めたんだと思うと、自分も好きになって、その気持ちを大切に感じてくれる男性と結婚したいと思っています」
「未海さん、とても大人の考え方だと感心したわ。先生は思われて結婚した方が良いと言ったけど、本当は好きになった人と結婚するのが一番よ。もちろん相手も好きでいてくれないとイヤだけどね。嫌なことがあったり、辛く感じたりしたときに、我慢できる理由は相手が好きだという思いよ。是非自分の思いを大切にして素敵な恋愛と結婚をして欲しいわ」
この話を聞いて朋美は泣き出していた。
「どうしたの、朋美?」
未海は心配した。
颯真も傍によって手をそっと握った。
「ごめんなさい。未海の話に感動したの。私ね、母親が父のこと変に思っていて、家を出て行ったんだと考えるようになっていた。浮気でもされたのなら別だけど、死別だったから再婚なんて考えないだろうって。でも、私や結婚している姉を捨てて新しいお父さんのところへ行った母のことが、どんな理由があろうとも許せないの。母は確かにまだ女なんだろうけど、家族というまとまりを壊すほど恋愛に夢中になるだなんて人として失格だと思える」
「朋美、それは言い過ぎだよ」
「颯真には解らないことなの、口出ししないで!」
そう言うと繋がれていた手を振り払った。
楽しい会話がちょっと暗いムードに変わっていた。
「朋美さん、あなたの気持ちは女性なら同じように感じられることだわよ。お母さまが家族を捨てて男性のところへ身を寄せた理由は、身勝手という事とは違うんじゃないのかな。先生は詳しいことが解らないから、そう感じるだんけど」
「先生、実は私もひょっとして亡くなった父親と母親の間に、自分が知らないトラブルがあったのかも知れないと想像はするんです。もし、そういう事があったとしたら、ちゃんと話をして聞かせて欲しかったです。それが無いという事は、わがままだとしか思えません」
「今は悪い方へ考えるんじゃなく、帰ってからしっかりとお母さんと話をして解決して欲しい。それに、颯真さんはあなたを心配して言ったんだから、怒らないであげてね」
「颯真・・・ゴメン」
「いいんだよ。おれが悪かった」
「ううん、違うの。私がわがままなの。思い通りにならないと機嫌が悪くなる悪い癖が出た」
美穂は朋美が颯真のことを心から好きなんだと感じられた。
それは自分が良く見えていたからだ。相手を思う気持ちと、思われている気持に対等に向かい合える関係こそ、長続きする大きな要素だからなのだ。
良く自分のことを棚に上げて人の悪口を言う人がいるが、自分が見えていない人ほど他人も見えないという事になることを美穂は生徒たちに知って欲しいと思った。
作品名:「歴女先生教えて~パート2」 第二十七話 作家名:てっしゅう