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股野 特大
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novelistID. 38476
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私鉄沿線物語

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月曜日、中谷は出勤途中、由美のマンション前を通過する時ラインをした。
“おはよ~、今君の部屋の前を通過!”
すぐさま返事が来た。

“おはよ~。私はまだ家の中です。すぐ横をあなたが通って行ったなんておかしいわ。今日も頑張ろ~”
由美は窓を開けてみた。
東京と違って福岡は高いビルがないから空が広い。
青空に私鉄の電線ケーブルが横切っている。
そこを急行電車に続いて、普通電車がまた早いスピードで通過して行った。
誰かが私を見てるんだろうか?
見えてるようで見えていない・・・。
由美は窓を閉めると、少し急ぎで出勤の準備をした。



中谷は夜、今度は20時15分に由美のマンションを通過した。
ほんの僅か0コンマ秒しか確認できない。
あっと思ったら、もう消えていた。
しかし、あの向こうに彼女がいるかもと思ったら、嬉しくなった。
ラインを打った。
“お疲れ様です。今、通過しました(笑)お帰りなさい”

由美から返信があった。
“いつもこの時間 お帰りになるの?」
中谷
“だいたい、そうですね。この電車か、もうひとつ後の電車かな?”
由美
“今度、ベランダで見つけてみるね^^”
中谷
“いつもこの時間はもう帰ってるの?”
由美
“はい。真面目ですから(笑)”

中谷はラインを見て部屋の中の彼女を想像した。
ごはんを食べてて、テレビを見て・・・それしか浮かばなかった。


翌日も、その翌日も同じようなラインが続いた。
一週間「今、通過したよ」の挨拶ラインと少しばかりのバカ話だった。

そして土曜日、お互い待ち合わせの場所を決めてデートをした。
早いかなっと思ったけど由美は中谷のキスを夜の公園で受け止めた。
中谷の固くなったものが由美の腰に当たった。
あきらかに中谷は勃起してるとわかったが何も言わず知らないふりをした。
そして、その日はお互い照れたまま帰った。
帰り着いた由美は窓を開けて、最終便の電車が通る頃、中谷のことを思って股間に指を這わせた。
電気を消して窓を全開にした。
下着だけを全部脱ぎ捨て、月明かりに下半身をさらした。
なまめかしい光の中で中指を固くなったクリに当てると、もう濡れていた。
月に見られている気がした。
くちゅくちゅといやらしい音をたてる由美の指はメス猫がミルクを舐めてるようだ。
蕾のような上方のクリをいじると快感が押し寄せてくる。
中谷の固くなったモノを想像した。
ここに・・・
ここに・・・
昇り詰める頃、電車が近づいてくる音がし始めた

来るッ
来るッ

ガァーーーッと電車が音を連れながら、暗い窓を横切る。
一瞬だけ部屋の中が電車の明かりで明るくなる。
由美はその時、アクメに達し、両脚をピンと伸ばした。
放心状態の後、指は谷間の草むらに埋もれたままだった。


作品名:私鉄沿線物語 作家名:股野 特大