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ワタリドリ
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それでも太陽は赤く染まる!第15回「姉の宿命!」

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「その話しはいいわよ。飲み会でもうとっくに新しい社員の子に夢中だったわよ。本当、男ってすぐに開き直りがはやいんだから・・・。嫌になるわまったく・・・。(-_-)」

ひとし、ますます声のトーンが下がり気味になった美穂を同情するように・・・。

ひとし
「なんで~、あやまってきたんでしょう。お姉ちゃんに・・・。その人のせいで危なく肺炎にもなりかかったんだし・・・。風邪こじらせて死にかけたりもしたんじゃないか!めっちゃショックだよそんなの。!\(`〇´)/」

美穂、ひとしに何を言われても表情を崩さずに・・・。

美穂
「いいったら。あたしがてんかんの事をきちんとあいつに伝えていなかったのが悪いんだし、てか言えないわよ普通。気に入った人だったらなおさら・・・。けど、どのみち知られちゃう事だから、早くてよかったわよ。おかげで傷もそんなに深まらずにすんだし。本当、時間をかけるほど深くなるからね、底なし沼みたいに。(-_-)」

ひとしももうこれ以上美穂に何も言わない方がいいと心に思ったのか落ち着かせようと・・・。

ひとし
「もう未練はないって事!いい思い出のアルバムが出来たって・・・!\(・o・)/」

そしてゆっくりと姉を気遣うように静かに背を向けて姉のソファーから降りる事もせず寝転ぶと布団に顔をうずめた。

が、そのとたん、いきなり今まで冷静な表情で話していたと思っていた美穂が急に逆上したような口調に変わり、興奮した赤い顔で机をどんと叩くと・・・。

美穂
「そんなわけないでしょう!(⊳Д⊲)女はいつだって本気なんだから!このままじゃ終わらせないわよ!あたしの恋の本番はこれからよ!あたしはそんな簡単な女じゃないって事、あいつにわからせないと。どうせ別れるにしてもね!なんせ一緒に働いてるわけだし、あげくに新社員なんかといちゃいちゃしている所を毎日見せつけられるなんて耐えられない。こんなんじゃストレスが溜まる一方だわ!あんたもそう思うでしょ。違う?!(#⊳Д⊲)」

姉の美穂が極限に感情が高ぶると何かが弾けたように爆発してしゃべりだす事はひとしは小さい頃から知っていた。でも決して人格の崩壊とかではなく、姉はその事によって暴れたり人に危害を加えたりしないという事もひとしはよく理解をしていた為、あまり動揺する事はなかった・・・。長い姉弟生活、これが姉の純粋な自然の個性であるとわかっていたのだ。

がやはり急な変貌でびっくりさせられたのか布団から顔を出さないまま、ひとしは美穂の感情に必死に合わせるように・・・。

ひとし
「てんかん発作の持病もちだしね!宿命だね、お姉ちゃんの!(-_-)」

つい逆なでするような事を口走ってしまった。だがその言葉に美穂も開きなおったように・・・。

美穂
「そうよ、あたしの場合待ってられないのよ。ただでさえ二十歳過ぎたら女はあっという間に底なし沼に沈んで行くってお母さんも言ってるでしょ。こっちからどんどん攻め込まないと損するばかりだわ!(#⊳Д⊲)」

ひとし
「本当、お姉ちゃんはどこのどんな女の人よりも女らしいと思うよ!ていうか興奮してるとお母さんたち起きるよ・・・。(-_-)」

美穂、少し冷静を取り戻したように・・・

美穂
「だからこの際だからひとしも、一緒に何か目標を決めなさいよ。!(⊳▽⊲)勉強してお母さんを見返すとか、もう中2になるんだから、いい加減、お姉ちゃんからひとり立ちしないと。利用者さんの中でも人生振り返って後悔してるって聞かされる人が沢山いるの。そのたびにみじめなあんたを思い浮かべるように重ねて、ため息が漏れる姉の気持ち、馬鹿だけどあんたにもわかるでしょ。」

その言葉に今度はひとしが動揺したように布団から顔をだすと・・・。

ひとし
「結局なんでそこに話しが結びつくんだよ。!関係ないじゃんか僕は!Σ(゚Д゚)てか、なんだかんだ言ってお姉ちゃんまだその彼氏の事すごい根に持ってるじゃないか。さっきから聞いてれば、かっこいい言葉ばっかさんざんアルファベットみたいにごたく並べちゃってくれてさ!こっちはいい迷惑だよ本当・・・。」

美穂、また少し興奮を高めた張り上げた声で・・・。

美穂
「何言ってるのよ!(#⊳Д⊲)このままじゃあんたもこの先ずっとお母さんからけなされっぱなしよ。お母さんだけじゃなくてみんなからも!馬鹿で取りえもない人間に世間は氷みたいに冷たいから!アルファベットのABCみたいな順番に人生は上手くいかないのよ!てか、お姉ちゃんに向かって何なの、その言い方は。反抗期は遊んでるお母さんの前だけにしてちょうだい。こっちはあんたのうなり声と金魚のモーター音のせいで寝不足なのよ・・・。」

美穂はすかさず開けっ放しだった深夜のベランダのカーテンをシャーっとしめた。そして再びひとしに不満をぶつけるように・・・。

美穂
「もう一つおまけに金魚の水ってくさいのよ、日が当たる日中は藻がはらないようにカーテンを閉めろってお母さんたちにも言われてるでしょう!あんたが好きで飼ってるんだからそれくらいちゃんと責任持ちなさいよ!(#⊳Д⊲)」

ひとし、少し冷静さを取り戻して姉の嫌味に皮肉っぽく・・・。

ひとし
「はいはい。ようするに、転んでもただでは起きないタイプだよね、お姉ちゃんは。!(-_-)その彼氏さんを見返す怒りが原動力だってことはよくわかったから。僕はもうアルファベットの最後のZで人生いつ終了してもいい場所にいて満足だからさ、お姉ちゃんはまだまだこれからの仕事と人生、ゆっくり頑張って!てか疲れてるんだからもう寝かせてよ!(ノД`)・゜・。」

美穂、そういって再び布団にもぐろうとしたひとしをいきなりまくり返すように頭をぱちんと強く叩いて・・・。

ひとし
「痛い!Σ(☆Д☆)」

美穂
「意気地なしが、叩かれて当然よ!その年で疲れたなんて言葉簡単に口にするな!(#⊳Д⊲)何が人生の最後でいいよ。そんな事言うなら今すぐそこのベランダから落ちなさいよ!ここは5階だから頭から落ちれば確実に死ねるわよ。脳みそもぐっちゃぐっちゃに飛び散って、もう悩みや不満なんて考える必要もなくなるわきっと!さあどうするのよ、お姉ちゃん手伝うわよ。口だけで死ぬ勇気もないくせに。生意気言うんじゃないの!!(⊳Д⊲)」

美穂の明らかに無責任過ぎる考えの暴言に、びびって言葉を失いこずかれた頭をさするひとし。予想外に死ね等と言われてゾクリと、全身が冷や汗と恐怖に硬直しているような表情だ。「・・・。」

美穂
「あんたも何かやらせなきゃ姉として示しがつかないでしょ。!(#⊳Д⊲)あんた男でしょうが。弟でしょ。お姉ちゃんも頑張るんだからあんたも何か挑戦しなさい。!今のままじゃあんたもあたしも一生独りぼっちよ。何か行動を起こさない限り前には進めないのよ、人は・・・。せっかくの人生、ガツンと生きて生きまくりなさいよ!これはあたしの宿命だけじゃなく家族の宿命でもあるんだから・・・。あたしは特に、あんたなんかよりも遥かにでかいハンディー背負ってるんだし。このままじゃ結婚さえできるかさえ怪しいのに・・・。」