「歴女先生教えて~パート2」 第二十二話
言い出しにくいのを美穂は悟ってそれとなく気を遣ってみた。
「未海さん、恥ずかしがらずに話していいのよ。どんなことを聞いてもあなたたちの相談にのりたいと思うから」
「ありがとうございます。朋美も私も彼と初めて結ばれると思うんです。その時に妊娠しないようにと彼に話したのですが、買って来れないと言うんです。私も朋美も買いに行く自信が無くて困っています」
「あら、そういう事ね。先生が用意してあげるから任せて。それとねついでだから言うけど、もし生理が来たら安全だとか考えないで止めるのよ、いい?理由は言わなくても解るわよね」
「はい、もちろんです。助かりました。朋美にも話しておきます」
「楽しみね~先生も初めての時のことを思い出したわ」
「ええ?聞かせてくださいよ~」
「そんな恥ずかしいこと言えないわよ。でも一つだけね、彼がちゃんとスキンを着けるところを確認して欲しいの。間違って着けたり、上手く着いてないと外れて中でこぼれてしまうからね。自分の身体だから夢中になって忘れて、後で泣くことになるのは避けないとね」
「わかりました。着けてくれた?と確認してから受け入れればいいのですね?」
「高ぶっている快感が冷めちゃうけど、初めはそれでいいと思う。初めての時は彼が終わるまで見届けるぐらいで良いと思うわ」
「冷静にですね?」
「ちょっと違うけど、あまり強く求めてゆかないことね。それと終わったらすぐに外してきれいにするのよ。シャワーを浴びて頂戴。中に入れたままだとこぼれ出すから」
「先生、なんだか怖くなってきました。出来るならそういうところまで行くんじゃなく、抱き合っているだけで嬉しいって思うようになりました。彼は我慢できないだろうから難しいのでしょうけど」
「そうね、高校生の男子なら我慢なんて無理よね。むしろ何度でも求めてくると思える」
「旦那さんがそうだったんですね?」
「うん、恥ずかしいけど、彼も高校三年生だったからね」
「同じですね、私の彼と」
「あなたが嫌だと思うことまでは求められても断るのよ。先生はあなたと朋美さんが初体験をすることに反対はしない。むしろ素敵な経験をして欲しいと思っているわ。しかしね、女は複雑なものだと思うの。心と身体が一致しないことだって起こるわ。妊娠の恐怖からいくら好きな人でも最後まではイヤという気持ちになったら無理しないで欲しい。素敵な恋愛も台無しにしてしまうからね。そのことは彼にもしっかりと怒るのではなく話して理解してもらって欲しいの」
「大変勉強になりました。朋美にも話して楽しい旅行にしたいです。先生に相談して良かった~本当に心強いです」
「そう、なら良かった。お互いに女どうし、分かり合えるものが多いと感じるわね」
未海は大好きな彼が自分のことを大切に感じてくれているなら、嫌なことはしないだろうと考えるようになった。それはそのまま朋美にも当てはまることだとも思えた。
作品名:「歴女先生教えて~パート2」 第二十二話 作家名:てっしゅう