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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「歴女先生教えて~パート2」 第十六話

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「お母さんは出て行くから、お婆ちゃんに相談するつもり」

「そうなんだ・・・なんだか寂しいね」

「ううん、お母さんの気持ちこの頃わかるの。好きな人の傍に居たいもの、女は」

「へえ~変われば変わるものね。朋美は颯真さんのことが好きになっているのね」

「かも知れない」

未海は朋美との旅行で二人とも初体験するのだろうなあ~、と思った。
それはいつか訪れることではあるけど、仲のいい友達と二人同時というのも不思議な縁かも知れないと、改めて目の前にいる朋美との友情を確認していた。

いつしか結婚してお互いに母となっても、子育てのことや家族のことや両親のことなども相談できる関係でずっと居たいと願った。

美穂の授業が始まる。

「アレクサンドロス大王の東方遠征まで話したわね。そしてバビロンで急逝したあと、やはりお決まりの仲間割れが生じたの。国は三つに割れ、三人の新しい君主が誕生した。これがディアドコイ戦争(BC322-280)と呼ばれる。ディアドコイとは後継者という意味よ。
一つは、アンティゴノスが受け継いだマケドニア本国。
一つは、プトレマイオスが受け継いだエジプト。
一つは、セレウコスがエジプトとマケドニア本国を除く全ての旧領地を受け継いだ。
旧領地の範囲は、現在のアフガニスタン、イラン、メソポタミア、シリアからパレスチナ、アナトリア半島までの広い地域よ。

三人の中で一番自分がアレクサンドロス大王の後継者だと自負していたのは、葬儀を仕切っていたプトレマイオスだったと思うわ。彼は首都のアレクサンドリア(現在ではエジプトの首都カイロから北に150キロほど離れた地中海に面したエジプト第二の都市)にムーセイオンという大博物館、大図書館をつくり、学問の中心地とした。このプトレマイオス朝の王妃は、クレオパトラという名前が多く、ローマのカエサルやアントニウスとの関係で有名なクレオパトラは七世に当たるの。元々はマケドニア王国ゆかりの名前ね」

「クレオパトラは絶世の美人と言われていますね。本当なのでしょうか?」

「女性ならそういう部分に興味を惹かれるわね。歴史家のプルタルコスによると、絶世の美人ではなかったと記されている。クレオパトラは複数の言葉を理解して、とても賢い女性だと解っているから、ローマのカエサル(Gaius Iulius Caesar=ガイウス・ユリウス・カエサル=英語読みするとJulius Caesar=ジュリアスシーザー)も容姿ではなく、その頭の良さに惹かれたと伝わっているの」

『参考:Gaius Iulius Caesarはラテン語読みすると、ガーイウス・ユーリウス・カエサルとなります。一般的には伸ばす音を縮めて表記されます。
カエサルはガリア戦争(BC58)第二次ローマ戦争(BC49)を制して、古代ローマ最大の野心家とも呼ばれ、終身独裁官(共和制ローマにおける最高権力者の地位で、独裁者の語源になっています)となりました。
若い頃には男色であったとも言われています』


「残されている絵画からはその美しさを偲ぶことが出来ますが、嘘なのでしょうか?」

「望月さん、良くお勉強しているのね。妹のアルシノエ四世の姿が残されているので、そこから想像すると、姉のクレオパトラも美しかったという説も残されているのよ」

女性にとって美女伝説は気になるところであった。