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てっしゅう
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「歴女先生教えて~パート2」 第十五話

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「お互いに仲良くなれたら、楽しいって思ったから」

「ふ~ん、未海に気があるの?」

「ええ?誰がそんなこと言った?」

「そう聞こえるの!」

「誰よりも朋美のことが一番だって思っているよ。信じろよ」

「そう言って欲しかった・・・ゴメンね、変なことばかり聞いて」

「おれ言葉が足りないっていつも思うけど、気持ちは誰にも負けない」

「うん、信じる。未海に話してみるよ。夏休みにどこかへ遊びに行けるといいね」

朋美は未海から聞いた名古屋へ泊りがけで遊びに行くという話を、颯真にそれとなく話した。二人はお互いの彼と一緒に名古屋へ泊りがけで旅行することになって行く。

美穂の授業が始まる。

「前回ペルシャ戦争のことまで話しました。そしてその実態はダレイオスがアッティカの侵攻を適当にあしらっていたという程度だったとも言いました。
ペルシャ戦争の後、ギリシャの都市国家はペロポネソス戦争などお互いの争いごとを繰り返して、その仲裁を大国ペルシャに求めるような関係になってゆくの。
そのギリシャの北方にマケドニアというギリシャ人の王国があったの。この国に、フィリッポス二世という名君が即位した。金山を得て国力を強め、スパルタ以外のギリシャ全都市国家を支配下に置いたの。そしてペルシャ侵攻を宣言するんだけど暗殺されたの」

「先生、そのあとでアレクサンドロス大王が引き継ぐんですね?」

「ええ、そうよ。長男だったアレクサンドロス三世(大王在位:BC336-323)が継ぎ、ペルシャ遠征のためにマケドニアを出発する。アカイメネス朝最後の君主ダレイオス三世にアレクサンドロス大王は連戦連勝するの。ダレイオス三世が逃走した先で土地の住民に殺され、二百年を超えた世界帝国、アカイメネス朝は滅びたの」

「その勝利でいろんなロマンや伝説が生まれたのですね?」

「そうだと思うわ。アレクサンドロスはインダス川まで迫り、川を渡ってインドに侵攻する勢いだったんだけど、軍勢を引き返したの。そしてバビロンで急逝する。王位についてから十三年の短い生涯だった。遠い未開の地から来たギリシャ人が初めて諸王の王となった。そこでいろんなロマンや伝説が作られたのね。トルコのイスタンブール博物館には、アレクサンドロスのものと伝えられる石棺が残っているの。ついでに言うと、アラビア語やトルコ語では、アレクサンドロスはイスカンダルと呼ばれるの。宇宙戦艦ヤマトで銀河のはるかかなたの星の名前がイスカンダルというのも、一種のアレクサンドロス・ロマンでしょうね」

「なんか壮大なロマンをイスカンダルという言葉を聞いて感じました。現代のいろんな物語の中には、歴史的な史実から抜粋して名前やストーリーが引用されているんですね?」

「そうね、私たちが良く聞いたり、目にしている名前の中にはそういった過去の歴史的地名や人物名などが使われているわね。明治になって江戸は東京と変わったけど、この名前の由来は中国の宋の時代に栄えた都、開封(かいふう、またはかいほう)の別名東京(とうけい)から来ているの。なので、明治初頭の頃はとうけいと呼ばれていた。中国では由緒ある都市洛陽の東側にあったので、開封は東京(東側にある都という意味)とも呼ばれたのね。そして、日本では京都は洛陽とも言われるから、その東にある都で東京なの。授業では先の話になるけど、宋の時代の文化は、現代の中国文化の基礎になっているし、日本も大きな影響を受けているの」

終業のベルが鳴った。