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てっしゅう
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「歴女先生教えて~パート2」 第十二話

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世界史の授業は次の世代へと進めてゆく。

前回話した、海の民による侵略は部族が代々秘密にしてきた技術を公にしてしまいました。
ヒッタイトの職人たちが鉄を鋼(はがね)に鍛える技術を門外不出としていたのを、海の民は解放し、彼らは地中海全域へと散ってゆきました。

そして、メソポタミアも地中海沿岸も本格的な鉄器時代に突入してゆきます。
BC1200年のカタストロフ(破局)の後、小さい民族が登場します。
フェニキア人、アラム人、ヘブライ(ユダヤ)人などです。

フェニキア人は現在のシリアやレバノンの港湾都市部を根拠地に地中海交易を広げ、アラム人は、フェニキア人が地中海交易で獲得した商品をメソポタミアまで運んで、内陸部の交易を担当しました。
その中心地はシリアのダマスカスです。アラム人は、肥沃な三日月地帯の交易をほぼ独占します。

ヘブライ人はこの頃、現在のエルサレムに小さな町を作ります。ダビデやその子供ソロモンの時代です(イスラエル王国)
考古学者の推測では、当時のエルサレムの人口は1000人ちょっとだったという事です。

フェニキア人はアルファベットを使ったことでも有名ですが、もともとシナイ半島はメソポタミアとエジプトの中間地帯に当たり、そこに住む人たちは両方の言語を理解しないといけなかったので、もっと簡単な文字を使いたいとの思いから、編み出されたのがアルファベットでした。

全言語を26文字で表すことが出来るアルファベットという人類の偉大な発明は、メソポタミアとエジプトという二大文明がぶつかる辺境で生まれたという事になるのです。

美穂の授業が始まります。

「今日からはメソポタミア、エジプトの二大文明から後の世界帝国時代と言われる政治と文化の流れを学習してゆきます。世界最初の帝国は、アッシリアよ。北メソポタミアでBC2000年頃から都市国家を作っていたんだけど、BC720年頃から急速に国力を伸ばし、その後約100年間に絶頂期を迎えたの。
アッシリアの都ニネヴェは空前の賑わいを見せていたけど、名君と呼ばれる王に支配されて広い領土を征服し、政治も軍事も、すべて名君のカリスマ性や知恵に頼る状態だった。
権力を長く維持するために必要な官僚制や軍事組織などは整備できていなかったので、アッシリアもアッシュールバニパルという名君がBC627年に死去すると、その十五年後に滅亡するの」

「先生!国家が誕生するときには大きな力となりうる、権力者のカリスマ性とか知恵も、安定すると必要ではなくなってくると言う事ですね?」