黄泉明りの落し子 狩人と少年
西の海岸沿いの森に 人食いのケモノがいるという
金色のたてがみに 隆々たる肉体の脈打つ 強大なケモノだ
そのケモノに 主がいるという
なまめかしく されど 触れがたい 金色の髪の少女だ
娘は胸の間に 一筋の傷跡を残していた
生きているのが信じがたいほどの 痛々しい古傷だ
彼らが離れることは けしてない
少女はケモノを駆り ケモノは少女に服従する
少女は 出会いし者に こう問いかけるという
あなたは何が欲しいの? と
作品名:黄泉明りの落し子 狩人と少年 作家名:炬善(ごぜん)