どぉしてぇ?
「ねぇー しようよぉー サッカー」
隣りに座る翔君の体を、二の腕を引いて綾さんが揺らします。
翔君は意識して、前を向いたままの姿勢を維持しました。
「…ボール、2人で蹴り合っても 面白くないでしょ?」
「し・あ・い! 試合をするの!!」
綾さんの言葉に、翔君が呆れます。
「サッカーは1チーム、何人だか知ってる?」
「11人!」
「後20人、どうするつもり?」
頑なに、自分の方を向く気配を見せない翔君の腕から、綾さんは手を放しました。
「8人いればね…」
自分の頭を、翔君の肩に預ける綾さん。
「─ ミニサッカーって言うのが、出来るんだよ!」
やっと自分の方を向いた翔君に、笑い掛けます。
「3人は、私に当てがあるから…」
「…」
「もう3人は…お願いしても良いよね♡」