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てっしゅう
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「歴女先生教えて~パート2」 第十一話

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暫くして家に新しいお母さんがやってきたと未海から連絡が届いた。
聞かされてはいたけど、どういう気持ちなんだろうと心配して朋美は電話を入れた。

「未海、仲良くやれてるの?」

「うん、何とかね。お父さんの世話をしなくて良くなったから楽になった」

「寂しくは感じない?」

「う~ん、全然と言えばうそになるけど、家に居てくれるからこれまでみたいに一人じゃないので安心感は出来たよ」

「未海は一人っ子だからそうよね。私には母が居るし、お爺ちゃんもお婆ちゃんもいるからそんなことは感じなかったよ。それにお姉ちゃんも子供連れて時々帰って来るしね」

「羨ましいって感じる、みんなが一緒に暮らすって。気を遣わないといけないし自由な空間も時間も少なくなるから、一人がいいって感じたりするけど、寂しさは無いから助かるよね」

「そうね、やっぱり寂しく感じることは辛いと思うわ。新しいお父さんと母が一緒に家を出て行ったら、私は残っておじいちゃんやおばあちゃんとずっと暮らしたい。お姉ちゃんだって帰ってくる場所が無くなっちゃうしね」

「朋美はお母さんが出て行くことに賛成なの?」

「だって、お父さんの仏壇があるところへ新しいお父さんが暮らすっていうのも変でしょう?」

「そうか、うちにはお母さんの写真は飾ってあるけど、そう言えば仏壇はない。実家の近くにお墓もあるし、位牌も母のおじいちゃんとおばあちゃんが先祖と一緒に祀っているしね」

「母親と娘というのはしっかりと結びついているけど、男の人は新しいお嫁さんが来ると、過去は全部捨てるんだと思う。それは妻に遠慮してのことだと思うけど、娘からすると何だか割り切れないし、寂しいわね」

「朋美、あなたがもし奥さんを亡くした男性と結婚したら、どう感じると思う?前の奥さんのことをずっと引きずっていたら?」

「ええ?そんなこと考えもしないけど、亡くした奥さんに思いがあれば、再婚なんてしないと思うけど」

「そんなことないよ。朋美のお母さんはお父さんを忘れたから再婚するんじゃないと思う。私の父も同じ。自分の未来を楽しくしたいから過去から離れることを決めたと思うよ」

「何だか難しいことを言うのね、未海は。この先私たち子供が結婚して家を離れたら、一人になるから、再婚をしても無理はないと思うけど、やっぱり私には死んだ父親が可哀想という気持ちがぬぐえないの」

「朋美はお父さんが好きだったんだね。お母さんは美人だけど、あなたは父親に似ているものね」

「それって、美人じゃないっていう事を言いたいの?」

「違うよ。気持ちのつながりのことを言いたいの」

「わかっているわよ。子供のころだったから死別したのは、余計に強い思い出となって残っているように感じる。本当はどんな父だったのか解らない部分もあるから、母が再婚を決めたとき、そういう私が知らないことも影響しているのかとも考えるの」

「あなたが知らない父親のことがあるという事?」

「解らない・・・」

それは、母が他の男の人と仲良くする理由が、寂しさからではなく、亡くなった父親との関係からそうなったのではないのか?という疑問でもあった。