『著作権フリー』片金おとこ
タイトル 負け犬なんかじゃなねぇ! by片金おとこ
本文
自分が人と違うのだと自覚する。
皆が自分たちと違う異質の物として俺を見ていた。
それを意識する度に冒頭から同じ事を繰り返す。
絶望。
開き直り。
割り切って生きようとする。
しかし、居心地の悪さ。
しかし、足元の不満感。
しかし、それは幸せそうな他者を恨めしく見るからこそ。
俺は何の為に存在しているのか判らない。
踏み台か? 踏まれるだけの踏み台か!
そんなの嫌だ! だったら・・・
そんなに簡単に死ねるかよ!
しかも生き残ったら哀れみの象徴が残るじゃねえか!
結局、冒頭からやり直すんですか?
ふざけんな!
死ねば負け犬でしかない!
俺は負け犬なんかじゃなねぇ!!
<あとがき>
片金おとこは片金の成長が9才で止まってるだけであり、決して片金ではない。
題名『落とした金玉はどこいった?』
サブタイトル 『気が付いたら・・・』
本文
小5の冬。
修学旅行先の温泉で気付いた。
金玉を両手でニギニギしているの友達を見て気が付いたんだ。
俺には片方の玉しかニギニギできないっだって・・・
人には本来2つの金玉があると知った時、俺は人じゃないのだと思った。
不安だった・・・でも両親には相談できなかった。
本当の子共じゃないなんて、受け入れられないからだ。
俺はヒッソリと生きた。
片金だと皆に知られれば、何からのルートを経て両親の耳に届き、俺が本当の子じゃないと気付いてしまうかもしれない。
そうなったらきっと「お前は私たちの子ではない」という言葉聞く羽目になる。
優しい両親には違いないから、どうやっても俺をフォローっするだろう。だけど、それは辛いことこの上ない。
だって、本当の両親に会いたいと思う俺が居るからだ。
もちろん、そんな願いもあの両親なら叶えてくれるだろう。
だけど、両親としたら複雑な気分になるだろうな・・・
俺は罪の意識を感じた。
だが、それ以前になぜ、片方無いのかそれだけが気になった。
罪の意識の一方で、片方が無い疑問にさいなまれた俺は、自然と疑問と戦う事で今日を生きていたんだと思う。
疑問を好奇心で埋めていき、罪の意識を忘れる方が楽だったからかもしれない。
そうして気付いた時、俺は26歳になっていたんだ。
だが、いまだに片金の真相はつかめない。
俺の金玉は何所へ行ったのだろうか?
誰か、この小説を通して俺に片金の真実を教えてください。 by片金おとこ
サブタイトル『最近思うこと』
最近、思う。
片方無くしたんじゃなくて、最初から無かったんじゃないかって。
それなら、全ての辻褄が合うのだよね。
俺が最初に思ったのは、何らかの事故で無くしたことだった。
蹴られたり瞑れたりしただけで、やっぱり両親から生まれて来たのだと・・・
だけど、レントゲンを撮っても金玉の影は見当たらない。
最初から無かったとして仮説を立てるのが自然だった。
自分にとって一番楽だったのが、両親から生まれる際に遺伝的に問題があったという事にする訳だ。
だが、それだとDNA検査がどうしても必要になってくる。
しかし、冷静になって考えても、それは無意味な行動でしかない。
先天的に問題があったとしても、母親の胎内で後天的に作用したかもしれないからだ。
また、先天的に問題が無くても、後天的に問題があるという保障にはならない。
生まれた後に片金の赤ん坊と取り違えた可能性もあるからだ。
いずれにせよ、DNA検査は怖くて出来ん。
だとしたら、それ以外で片金の真相さぐるしかない。
俺は、ひとまずUFO関連の文献を読み漁る事にした。
万が一でも宇宙人の両親が迎えに来る可能性を考慮に入れて・・・
1分後
さっきから、お空を見上げても全くUFOが見えん。
畜生!何所にいやがるんだ!!
俺がいきりたっていると、遠くの方から、なにやら声が聞こえた。
俺の返事に答えてるみたいだ。
UFOに違いない。
俺は必死で叫んだ。
UFOもそれにあわせて言葉を返してくる。
だが、それが山彦だったと気付かなかったのは、俺の人生の最大の汚点だった。
気付いたら、時はながれてたらしく、5年の月日が経っていた。
俺は何をしているのだろうか・・・人生を棒に振ってしまったとしかいえない。
だけど、ふと冷静になってみると、こんな波乱万丈な人生なんてそうそう無いよな。
小説として俺の体験談を公表すれば沢山の人に読まれるかもしれない。
そしたら読者が片金の真相を突き止めるかもしれない。
よし、俺はとりあえず、「小説家になろう」へ投稿してみた。
それにしても俺の人生は何だったのだろうか。
金玉の真実ばかりを追いかけて、気付けば34歳だよ。
嫁さんと子共が居てもおかしくない歳頃だよ。
なんで引き返せなかったんだろうか。
でも、良く考えてみれば、答えは簡単だった。
そう。人は努力をすればする程、諦めるのが難しい生きなのだ。
金玉の真相さぐるのを途中で止めてしまったら、これまで金玉に費やした全ての努力が水の泡となる。
俺の20年以上の努力が全てパーとなるのだ。
それだけはどうしても認められんのだ。
だからといって、これ以上、金玉に溺れるのだけの人生は嫌だ。
だから俺は、金玉を今日から断ち切る事にする。
一分後
駄目だ!
やっぱり金玉を忘れられない!
どうやっても金玉の事が気になってしかたがない!!
そりゃそうだよな。20年以上、金玉を追い求めた男だぞ。
もはや俺は金玉の伝道入りしてもおかしくない。
国から金玉の称号が欲しいくらいだ。
でないと、俺の20年が一切報われないだろうが。
それにしても、くやしいな・・・
誰も、俺の努力を認めやしない。
金玉を追い求めた人生がそんなにいけないのか?
馬鹿にして笑うなんて、胸糞悪い。
俺の存在を否定してる奴らは、人の気持ちが全然判ってない。
おまえられも、俺と同じ立場になってみろ。
金玉から抜け出すのは容易なことじゃないのだぞ。
それを寄ってたかって罵倒して、中傷して、さらし者にして、お前らは人間失格だよ。
と、心の中で思った瞬間、俺は何かが吹っ切れたのだと思う。
俺は、俺の様な可愛そうな存在を出してはいけない事に気付いた。
金玉とは事情は違えど、同じ様に誰からも理解されないで生きている人間は、この世の中に沢山居る筈だ。
だからこそ、偏見というものがある。
そして、その度に人は傷付ける。憎しみ合い傷つけあう。
そんな世界を俺はどうしたら変える事ができるのだろうか?
少し考えたら答えは明確だった。
それは・・・
それは・・・
全ての憎しみを俺に向けさせる事だ。
俺が片金おとことして、皆に馬鹿にされる、その度に俺も馬鹿にし返す。
そうして皆に憎悪を向ければいい。
そうやれば全ての憎しみは俺に集中する。
そして孤立する。
孤独を味わう。
その苦痛に俺が耐えれなかったとき、偏見により、俺は孤独で死ぬのだろう。
本文
自分が人と違うのだと自覚する。
皆が自分たちと違う異質の物として俺を見ていた。
それを意識する度に冒頭から同じ事を繰り返す。
絶望。
開き直り。
割り切って生きようとする。
しかし、居心地の悪さ。
しかし、足元の不満感。
しかし、それは幸せそうな他者を恨めしく見るからこそ。
俺は何の為に存在しているのか判らない。
踏み台か? 踏まれるだけの踏み台か!
そんなの嫌だ! だったら・・・
そんなに簡単に死ねるかよ!
しかも生き残ったら哀れみの象徴が残るじゃねえか!
結局、冒頭からやり直すんですか?
ふざけんな!
死ねば負け犬でしかない!
俺は負け犬なんかじゃなねぇ!!
<あとがき>
片金おとこは片金の成長が9才で止まってるだけであり、決して片金ではない。
題名『落とした金玉はどこいった?』
サブタイトル 『気が付いたら・・・』
本文
小5の冬。
修学旅行先の温泉で気付いた。
金玉を両手でニギニギしているの友達を見て気が付いたんだ。
俺には片方の玉しかニギニギできないっだって・・・
人には本来2つの金玉があると知った時、俺は人じゃないのだと思った。
不安だった・・・でも両親には相談できなかった。
本当の子共じゃないなんて、受け入れられないからだ。
俺はヒッソリと生きた。
片金だと皆に知られれば、何からのルートを経て両親の耳に届き、俺が本当の子じゃないと気付いてしまうかもしれない。
そうなったらきっと「お前は私たちの子ではない」という言葉聞く羽目になる。
優しい両親には違いないから、どうやっても俺をフォローっするだろう。だけど、それは辛いことこの上ない。
だって、本当の両親に会いたいと思う俺が居るからだ。
もちろん、そんな願いもあの両親なら叶えてくれるだろう。
だけど、両親としたら複雑な気分になるだろうな・・・
俺は罪の意識を感じた。
だが、それ以前になぜ、片方無いのかそれだけが気になった。
罪の意識の一方で、片方が無い疑問にさいなまれた俺は、自然と疑問と戦う事で今日を生きていたんだと思う。
疑問を好奇心で埋めていき、罪の意識を忘れる方が楽だったからかもしれない。
そうして気付いた時、俺は26歳になっていたんだ。
だが、いまだに片金の真相はつかめない。
俺の金玉は何所へ行ったのだろうか?
誰か、この小説を通して俺に片金の真実を教えてください。 by片金おとこ
サブタイトル『最近思うこと』
最近、思う。
片方無くしたんじゃなくて、最初から無かったんじゃないかって。
それなら、全ての辻褄が合うのだよね。
俺が最初に思ったのは、何らかの事故で無くしたことだった。
蹴られたり瞑れたりしただけで、やっぱり両親から生まれて来たのだと・・・
だけど、レントゲンを撮っても金玉の影は見当たらない。
最初から無かったとして仮説を立てるのが自然だった。
自分にとって一番楽だったのが、両親から生まれる際に遺伝的に問題があったという事にする訳だ。
だが、それだとDNA検査がどうしても必要になってくる。
しかし、冷静になって考えても、それは無意味な行動でしかない。
先天的に問題があったとしても、母親の胎内で後天的に作用したかもしれないからだ。
また、先天的に問題が無くても、後天的に問題があるという保障にはならない。
生まれた後に片金の赤ん坊と取り違えた可能性もあるからだ。
いずれにせよ、DNA検査は怖くて出来ん。
だとしたら、それ以外で片金の真相さぐるしかない。
俺は、ひとまずUFO関連の文献を読み漁る事にした。
万が一でも宇宙人の両親が迎えに来る可能性を考慮に入れて・・・
1分後
さっきから、お空を見上げても全くUFOが見えん。
畜生!何所にいやがるんだ!!
俺がいきりたっていると、遠くの方から、なにやら声が聞こえた。
俺の返事に答えてるみたいだ。
UFOに違いない。
俺は必死で叫んだ。
UFOもそれにあわせて言葉を返してくる。
だが、それが山彦だったと気付かなかったのは、俺の人生の最大の汚点だった。
気付いたら、時はながれてたらしく、5年の月日が経っていた。
俺は何をしているのだろうか・・・人生を棒に振ってしまったとしかいえない。
だけど、ふと冷静になってみると、こんな波乱万丈な人生なんてそうそう無いよな。
小説として俺の体験談を公表すれば沢山の人に読まれるかもしれない。
そしたら読者が片金の真相を突き止めるかもしれない。
よし、俺はとりあえず、「小説家になろう」へ投稿してみた。
それにしても俺の人生は何だったのだろうか。
金玉の真実ばかりを追いかけて、気付けば34歳だよ。
嫁さんと子共が居てもおかしくない歳頃だよ。
なんで引き返せなかったんだろうか。
でも、良く考えてみれば、答えは簡単だった。
そう。人は努力をすればする程、諦めるのが難しい生きなのだ。
金玉の真相さぐるのを途中で止めてしまったら、これまで金玉に費やした全ての努力が水の泡となる。
俺の20年以上の努力が全てパーとなるのだ。
それだけはどうしても認められんのだ。
だからといって、これ以上、金玉に溺れるのだけの人生は嫌だ。
だから俺は、金玉を今日から断ち切る事にする。
一分後
駄目だ!
やっぱり金玉を忘れられない!
どうやっても金玉の事が気になってしかたがない!!
そりゃそうだよな。20年以上、金玉を追い求めた男だぞ。
もはや俺は金玉の伝道入りしてもおかしくない。
国から金玉の称号が欲しいくらいだ。
でないと、俺の20年が一切報われないだろうが。
それにしても、くやしいな・・・
誰も、俺の努力を認めやしない。
金玉を追い求めた人生がそんなにいけないのか?
馬鹿にして笑うなんて、胸糞悪い。
俺の存在を否定してる奴らは、人の気持ちが全然判ってない。
おまえられも、俺と同じ立場になってみろ。
金玉から抜け出すのは容易なことじゃないのだぞ。
それを寄ってたかって罵倒して、中傷して、さらし者にして、お前らは人間失格だよ。
と、心の中で思った瞬間、俺は何かが吹っ切れたのだと思う。
俺は、俺の様な可愛そうな存在を出してはいけない事に気付いた。
金玉とは事情は違えど、同じ様に誰からも理解されないで生きている人間は、この世の中に沢山居る筈だ。
だからこそ、偏見というものがある。
そして、その度に人は傷付ける。憎しみ合い傷つけあう。
そんな世界を俺はどうしたら変える事ができるのだろうか?
少し考えたら答えは明確だった。
それは・・・
それは・・・
全ての憎しみを俺に向けさせる事だ。
俺が片金おとことして、皆に馬鹿にされる、その度に俺も馬鹿にし返す。
そうして皆に憎悪を向ければいい。
そうやれば全ての憎しみは俺に集中する。
そして孤立する。
孤独を味わう。
その苦痛に俺が耐えれなかったとき、偏見により、俺は孤独で死ぬのだろう。
作品名:『著作権フリー』片金おとこ 作家名:西中