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カクテルの紡ぐ恋歌(うた)Ⅶ

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「副長はともかく、今の総務部長と運支部長は人徳のある人間だから、どちらかの管理下にあるなら、吉谷女史も悪い扱いは受けないと思う。私も二人とは面識があるから、内々に頼んでおくが……」
 言いかけて日垣は、机の上に顔だけ出した格好の美紗に視線を向けた。
「そっちは、任務完了?」
 すっかりコーヒー色になってしまった雑巾を握りしめていた美紗は、慌てて「はい」とだけ答えて立ち上がった。穏やかに笑い返す彼の眼差しは、やはり、わずかに暗く陰っていた。





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(「カクテルの紡ぐ恋歌 Ⅷ」に続きます。表紙に「Ⅷ」のリンク先がございます。どうぞ宜しくお願いいたします。本シリーズは、現在「Ⅺ」まで続いております。「カクテルの紡ぐ恋歌」のタグ検索で、シリーズすべてが表示されます)