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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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黒猫

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 3月になり、卒業式が終わると、3年生の担任は卒業していった生徒の後始末に追われる。まだ大学が決まっていない生徒の対応もあるが、それ以外に、ロッカーや靴箱に残して行った、運動着や運動靴、上履きのかたずけである。教科書や参考書も残して行く生徒もあり、分別しなければならない。本類は束にして物置に入れ、靴や衣類は焼却するので用務員に頼むのだが、焼却炉まで運ばなくてはならない。
「本間さん、お世話になります」
「平井先生も大変なことで」
「この運動靴などまだ新しいのに、もったいないですが・・」
「近頃は物を大切にしないですね。ゴミのなかには時計までありますよ。間違ったのかと思い、落し物の係の先生に届けますが、1年経つと、『使って下さい』って持ってきます」
「時代が変わったんでしょうかね」
「自分は、母から高校入学の時に時計を買ってもらったんですが、今でも使っています。修理に行くと、修理代より安い値段で時計が買えるのもある。でも、修理を頼んでしまいます」
「ぼくも辞書などは新入生に『使うものは持って行っていいぞ』と言うんですがね。ほとんど持っていかないですよ。買えば1000円以上するのにと思いますがね」
作品名:黒猫 作家名:吉葉ひろし