呼び立て
広間へ、陽の光が入る戸は、全て閉められました。
暗くなった部屋に、布で覆われてた衝立が持ち込まれます。
時貞は、家臣に確認しました。
「廊下に、餌の入った皿は置いたか?」
「はっ!」
「それでは、衝立の覆いを外せ」
「はっ!」
「戸を開けよ!」
「はっ!」
広間に差し込んだ陽の光は、衝立に当たります。
暫くすると、衝立に描かれた鳥籠の中で5羽の雀が動き出しました。
5羽は、衝立から出て来て、廊下に置かれた皿に向かって羽ばたます。
雀は、廊下の皿から、賑やかに餌をついばみました。
そして、腹が一杯になると、各々が、衝立の鳥籠に描かれた、止まり木まで戻ったのです。。。