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小説家ヤンヤンの師匠シリーズ

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<ヤンヤンの小説が盗作されちゃった編>







「何? 小説を盗作されたって?」

ヤンヤンは自分の小説が盗作された事に激怒して俺にすがり付いて来た。スキーの最中にだ。
空気を読め、今は遊びに集中しろ。
と言ったところでヤンヤンは茫然自失だった。
仕方が無い。俺はヤンヤンのスマホを覗いた。


「どれどれ? 誰がパクッたんだ? 見せてみろ」
ヤンヤンが見せてきたのは無名の作家で『小説家になろう』まさすぃ~だった。

「バカヤローーーーーーーーー!!!」
俺は、ヤンヤンを殴る。

「ヤンヤン・・・お前、何も判ってない・・・世の中の仕組みというものを・・・」
俺は、ヤンヤンに世の中の仕組みを教える事にした。

「ヤンヤン脱げ! いいから脱げ!」
裸にされたヤンヤンは、プルプル震えている。

「どうだヤンヤン。冬だから寒いだろう

「ヤンヤン・・・この寒いのが世の中というものだ。
「誰も見てない所では、いくらそこに美貌な裸体があったとしても無価値なのだ。
「人に見られない事には、価値があるとしては認めてもらえないのである。

「小説も同じである。そこに良い小説があったとしても外の世界に飛び出していかないと認めて貰えないのである」

「ん? それと盗作と何の関係があるかって?
「人の話しは最後まで話を聞けバカヤローーーーーーー!!!!!!

(いけない・・・ちょっと馬鹿馬鹿言い過ぎたかも。でも、ヤンヤンの為だからフォローはしないでおこう)

「盗作者は、ヤンヤンの文章を・・・才能を認めてくれたのだぞ。
「いわば貴重な熱狂的な読者を獲得する事に成功したのだ。両手を挙げて喜ぶべき事なのである。

ヤンヤンは、いろいろ反論しようとするが、俺はヤンヤンの言葉を聞き流す為に耳栓を付ける。

「いいか! この世の中は、自分の才が認められない事には成功しないのだ。
「作家という職業は他の仕事と同じなのである。

製造業を例にとってみると良いだろう。
おいしいチョコレートスナック、コアラのルーチカを作ったとしよう。
このルーチカ、どんなチョコよりも美味しく売れる要素を兼ね備えていたとしよう。
だが、このルーチカは、所詮はチョコなのである。
チョコを遥かにしのぐチョコの味ではなく、あくまで、比較したら、それなりに旨いというレベルなのである。
だから、このルーチカは、売れない。

「意味判る?
このルーチカは宣伝して売り込まなければ、売れないのである。
宣伝費をかけずに口コミを待っていても売れない。なにせ、所詮は、チョコなのである。
チョコである以上、皆、その存在感を忘れてしまい口コミをするという動機に至らないのである。

「小説も、これと同じである。
所詮は小説。いくら良作だったとしても口コミで広まるものでは無いのである。

だが、良く考えてみろ。ヤンヤンのゴールはどこだ? 出版社が小説として売り出してくれる事だろう。

だが、その出版社も一人の読者である。読者である以上、読む前段階から考えなければならないのである。
出版社が無名の小説家の小説を読むまでの流れを考えるといい。

まず、小説のランキングサイト見る。感想やクチコミを見る。これでオシマイだ。

そしてヤンヤンに聞くが、その中に金を払っても読みたいと思う作品はいくつあった?
恐らく、そんなに沢山無いだろう。もしくは、一冊も無いと思う。

出版社の担当者にとっても同じ事が言える。そうそう自分の欲しい小説なんぞ無いのである。
なにせ、担当者も一人の人間であり、趣味思考がバラバラなのである。
彼らの趣味にジャストフィットする様な物等、到底見つからない。

彼らも、それが判っているのだろう。
だからこそ、殆どの出版社は外部から持ち込みを認めていない。
上手く持ち込めても大体が自費出版で検討される。

では、どの様にして出版社は、売れる小説を発掘するかだが・・・
これに関しては、大型出版社は主に賞を主宰する。
それで審査して、一定の水準の小説になっていたら売り出すのである。
賞というブランド名を付ければ売れるというか、そういう安易な感じだ。

さっきも言ったが、コアラのルーチカと同じ現象だ。
小説は所詮小説なので、出版社もコスト掛けて宣伝しなきゃは売れないのである。
しかも、口コミもなく、審査も抜けられない物は、論外なのである。

だが、審査員も一人の読者なので、趣味思考がバラバラである。
審査員が4人なら、ある意味、4つの出版社に持ち込みするとかその程度の効力しかないのである。

ヤンヤンが、「アマチュア」から金を払いたい作品に出会えない確率以上に、審査員達のメガネに叶う作品は到底見つからないのである。
そんな、無意味な所に応募したり持ち込むのは、確率的に無意味であると判るだろう。

だが、良く考えて見ろヤンヤン・・・
ヤンヤンには、既に絶賛してくれる読者(盗作犯人)が居るのである。

審査員や出版担当者には認められなくても、数打てば当たると判っただろう。
沢山の人に読まれるチャンスさえあれば売れるんだ!

そして、その最善の近道が盗作なのである。
ここから先は、盗作した犯人まさすぃ~のへ理屈を聞いてみたいと思う。

俺は、盗作した犯人であるまさすぃ~の自宅に電話を掛けた・・・
すると、留守番電話の設定がしているのか
まさすぃ~は勝手に話し始めた―――


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 「盗作」と聞いて皆さんは、「最低な行為だ!」「将来の収益機会を奪われる」と考えるでしょう。
 ですが、そんな事はありません。なぜなら、盗作する側は、それがバレた時の損害が絶大になります。信用は失墜し、業界では、まず生きられないし、ネタ元からは莫大な損害を請求されます。
 
 
 そして最も重要なのが盗作された作家に、多大なメリットがある事です。
 例えば、宣伝効果です。
 宣伝というとピンと来ないかもしれませんが、小説という物は宣伝しなければ金に成らないのです。出版社の目に止まりスポンサーが付くにしても、あなたの小説が読まなければ意味がありません。
 しかし、小説は、毎日大量に投稿されます。その総てに出版社がチェックできる筈ありません。
 
 皆さんは、小説の腕さえ良ければ、口コミで広まり、出版社の目に止まるとか期待していると思いますが、その考え方は甘いです。なぜなら、口コミで広まった小説が既に大量に存在します。

 貴方の小説が口コミされるには、まず、先に口コミで広まった人の小説が読まれてからになるのですが、それが読み終わる頃には、その読者は小説にそのもに飽きてしまいます。飽きてしまった読者は、たとえばクチコミ3位で飽きたら、クチコミ4位である貴方の小説の元へは辿り着けない。辿り着いたとしても、1位から4位まで読まれるという物凄い時間が掛かります。後から小説を発表する人は不利であり、先に、口コミで広まった人にはどうしても追いつけないのです。