小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
湯川ヤスヒロ
湯川ヤスヒロ
novelistID. 62114
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

ユウのヒトリゴト[2]

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

 けっきょくボクは、一度も上京なんて考えることなく、数年後に大阪に住んで、10年たった今現在、ようやく大阪にも慣れてきたなって感じです。なかなか重い腰を上げられないボクが今、マンガ家やれてんのも、この当時から時代が移り変わったネット社会のおかげかな、なんて思ってます。
 市谷さんはこの4年後に独立して再び東京に戻りはります。もし、東京にいかんかったらチャンスが無いとこまで追い込まれてたら、さすがに腰の重いボクも、市谷さんを頼って上京してたかもしれません。
 でもこの当時はまだ、そんなことなんで全然わからん未来の話。

「またいつでもマンガ見せに来なよ」
 そう市谷さんに見送られて、ボクはまた天神橋筋商店街を北へと向かい、天六駅から阪急に乗って帰路に着きました。
「また帰って、一から新しいプロット考えよ。ああ……でも、明日は朝からバイトやし、夜更かしはヤメとこ」
 そんなことを考えながら電車に揺られ最寄りに着くと、今日はいつも駅から家に帰る道とは別の道を通って帰ることにしました。
 なんでいつもと違う帰り道から帰ろうと思ったのか? それは、髪の毛がのびてきたからそろそろ切ってもらおうと思って、その道にある美容院に立ちよろうと思ったからです。

 いつもと違う帰り道にポツンと立つ小さな美容院にボクは入りました。その店は、ボクの姉ちゃんが美容師として働く小さな店でした。