詩集
爺婆
10才かそこらで
母がいびられないように
気を遣った孫だった
小さい手で
行くたび
爺と婆の肩たたきをした
早くもう良いって
言ってくれないかな
そう思うけど
もう良いと言われて
すぐにやめたら
イヤイヤ肩たたきしていたと思われる
もう少しと言って
続けるけど
もう良いと早く言ってくれないかな
爺の肩は硬くて
小さい手が
跳ね返るようだった
行きたくないけど
義理で通った
家から5分
孫も家によこさないと
母が言われると思うと
毎日通った
たまに従姉妹が来ると
機嫌の良い婆が
恨めしかった
仲の悪い爺婆
どっちの言うことを聞いても
嫁いびりする2人
結婚するとき
あの爺婆よりひどい人は
居ないだろうと思った
夫の母にそう思えるようにするために
つながっていた爺婆?
こればかりはそんなふうに思いたくない