詩集
ライブ
目の前に
歌うスターがいる
その声の素晴らしさ
その声の深み
マイクを通さず
直接聞こえる素晴らしい歌声
歌を聴きながら
この近いところで聞くことなど
できないはずの人だった
豪華な衣装ではなく
ステージが立派ではなく
手の届くところにいるスターたち
この贅沢な空間を
大好きな人と
共有できた幸せ
歌うスターを見ながら
その赤いジャケットを縫った人がいる
その似合う帽子を作った人がいる
自分の縫ったジャケットが
こんな風に笑顔の中にいること
きっと知らない
帽子を作った職人も
歌うときにかぶっているとは
知らないだろう
そういう一つ一つのものに囲まれ
目の前にいるスターたち
そのライブ会場
スターの笑顔も
客席のファンの笑顔も
同じところにいる
笑顔のファンを見ながら
1人体を揺らし手を打ちながらの笑顔に
それもまた楽しくて
手の届くはずのないスターが
ここまで降りてきてくれたこと
その幸せをありがとう