やすおと鈴木のロングバケーション
少年は一人で寂しい一夜を過ごすのは怖かったので、それは願ってもない提案だった。「泊まってもいい……の?」
「その代わり皆には内緒だよ」
やすおの母親は毎日家に帰っては来るものの、その時間は、やすおが昼学校へ行っている時間で顔を合わす事は無くなっていた。
母親は500円玉を台所のテーブルに置くだけであり、いつ帰るかというメッセージすら残さなくなっていた。外泊する場合も最初は電話で事前に連絡が入っていたのだが、それも次第に無くなっていった。
母にとっては昼間に部屋に帰り前日に置いた500円が無くなっているのを確認するだけで事足りたのである。
隣の鈴木さんに甘えられる嬉しさ、一緒に楽しく、ご飯が食べられる嬉しさ、夜更かし遊び放題。やすおにとっては期待に胸を膨らます日となるのだった……
その日は、少年にとって期待通り楽しい日となった。
鈴木さんに甘え夜遅くまでゲームをし、おいしい、お菓子を食べさせてもらい。一緒の部屋に寝られた。もう、夜一人でお化けに怖がる必要も無いのである。
けれど康夫君はオネショをしてしまった。
オネショをした事が見つかったから怒られると学んでいた康夫は、一人、洗面所で小さな明かり元で汚したシーツとパンツを洗っていた。怯える様に必死で……
怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!怒られる!
鈴木さんに怒られる……
怖いよ……怖いよ……
深夜4時、鈴木は物音に目を覚ます。
音の聞こえる方は台所の先の洗面所の方、眠い目を擦りながら彼は、その方向へ歩く。
聞こえているのは水の流れる音。
音の先で誰かと目が会う鈴木。
半べそをかいている少年がそこ居た。
ごめんなさい! ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!
連呼して極度に怯えるやすお。
やすおは必死に謝っていている。
鈴木は少年を抱きしめた後で、優しく頭を撫でた。
「大丈夫」と呼びかけて彼は、やすおを安心させ様とする。
「でも……」と、やすおは洗面所に放置された自分のパンツを見て呟く。
やすおは、怒られない事に戸惑いも抱きながらも、やはりこれは自分の仕事という思から居ても立ってもいられない。
「心配するな。後は私がやっておく」そう言って鈴木は、やすおのパンツを手に取り洗い始める。
その光景を申し訳無さそうにじっと見つめる少年の姿に鈴木は言った。
「安心しなさい、私はママじゃなくて君のお兄ちゃんだ」
この言葉に安心したのか、納得したのか、しばし、2人の間に静かな沈黙が続く。水の流れる音が部屋に響き渡りながら……
「いっしょの布団で寝ようか?」そう切り出す鈴木
「え?」ビックリした様子のやすお。
「一人で寝るの怖かったよな」
「でも……僕、オシッコくさいよ。お兄ちゃんの布団も汚しちゃうかも」
「実はお兄ちゃんも一人で寝るの怖いんだ」
僕は、お兄ちゃんの言っていることが理解できなかった。
だってママでさえオネショした僕にそんな事を言ってはくれない。
うれしい。そう言ってくれた、お兄ちゃんが僕は大好きだ。
僕はお兄ちゃんのと一緒の布団の中で深い眠りの中へと落ちていく。
お兄ちゃんの優しさと温もりを感じながら……
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さて、この後、やすおと鈴木の運命はどうなるでしょうか?
気になる鈴木の正体。悪い奴ではなさそうだが、もしかしたら危ないかもしれない。
どこがどう危ないかは、この際、読者の妄想に任せるとして、実は作者は、この先の話を作ってません。
いや・・・一応、作っているのだが・・・
例えば、鈴木が・・・
けれど、鈴木の正体がわかった時点で、この物語はピークを迎えちゃうわけ。
どんなに鈴木のシーンを描いても、それ系の人達にしか共感は呼ばないし、それ系の人口少ないし、こういう人も居るんだよって視聴者に知らしメタところで、それ系の人が救われる訳でもない。
これは、あくまで、やすお君という悲壮感な人生を歩む者を同情し見て読者に、子育や福祉の何たるかを考えて貰うのが意味深いものである訳だ。
だが、よくよく考えると、この手の不幸話は探せば一杯ある。
例えば、虐待事件で、タンスに入れられ死ぬ。生ゴミ食ってなんとか生き抜いた子供。
アフリカ、アジア諸国の恵まれない子供達。
やすお君なんて、それと比べたら、まだまだ、幸せ者であるし、皆もそう思うでしょ。
、こうやって、モニターの前で踏ん反りかえって、これを眺めてる私たちがいかに、恵まれてるか判るかと思いませんか?
そして、自分の事ばかり考えて、日々をなげいてみたり、血液型占いを信用して一揆一致してみたり、男女のグルグルばかり、夢見るのが、きっと恥ずかしく思える筈です。
したらば、まずは募金あるのみです。
こちらでどうぞ。
ユニセフ
http://www.unicef.or.jp/?as_grant
なんてね♪ 自分の事ばかり考えてる人が、シリアスな話をこんなトコまで読める筈ないよね。忘れちゃってください。
ましてや無料小説読むくらいだから、そんな金持ちでもないだろうし、きっと募金とか無理なんですよね。
私だって同類で募金とかしないし、不甲斐ないし甲斐性なしで、実に申し訳ない。
でもまあ、あるトコにはある訳で・・・そこの君!
もし、君が金持ちなら、ある意味で「なろう」おいては非国民です。
ここに来る資格はない!
さっさと、どっか行けーーーーーーー!!!
と・・・ごはんライスなら言うでしょう。
この物語は、これ以上、先に進めても意義が無いので終わるのが良いのであるが、もしかしたら、一部の人は、この先の話を必要とするかもしれないし、しないかもしれないので一応、続ける事とする。
ただし、ミステリーとして終わりを告げ、一般的な人にとって退屈となるだろう。、
だから、簡単に物語の要約を書いておく・・・
作品名:やすおと鈴木のロングバケーション 作家名:西中