ヘンテコな出だしから始まるはなし
人見知りが激しすぎるというのは逆に一旦警戒心が解けてしまえば、仲が良過ぎるくらいに親密になる。
普段から人付き合いの少ない二人にとっては長い時間会話できる相手はそうそう滅多にいない貴重な相手でもある。それが特別な感情、恋愛感情を錯覚させるには時間はそれほど必要で無かった。
5年後
ある日新聞やメディアにオカルトファンが好きそうな怪奇現象が報じられていた。内容は「カメラに写らないが存在する人の発見について」
透明人間だと論ずる筋もあれば、宇宙人説を論ずる筋もある。
確かなのは人が死ぬ前にそれが現れるという事。その者が現れるとその周囲で必ず事故なり殺人が起こる。
不吉な死神の様な存在であるとされたが、死んだ被害者は一様にして共通点があった。死ぬのは高確率で貧困の高齢者。身寄りの無い者。前科がある者、末期的病人
死に選らばれるには一定の条件があるとした噂話が広まっていた。
また事件の出没範囲は一貫性が無く、日本中、世界中のあちこちで報告された。
作品名:ヘンテコな出だしから始まるはなし 作家名:西中