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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「歴女先生教えて~」 最終回

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「先生は太平洋戦争の最大の原因は何だったとお考えですか?」

「いい質問ね、渡辺くん。一つだけ言えといわれたらどうしようかな~、ハルノートへの失望感とか、石油や鉄鉱石の輸入をストップされたとか、軍部の驕りとか、神風が吹いて開国以来日本は絶対に負けていないという国民の後押しとか、数えたらキリがないけど、大きな原因はねアメリカの大統領がフランクリン・ルーズベルトだったと言う事ね」

「ルーズベルト大統領だったことが戦争の原因なのですか?」

「もしは歴史にはないけど、アメリカの大統領がルーズベルトで無かったら、それに加えて1929年の世界恐慌が無かったら、日本とアメリカは戦争をしていないと考えるわ」

「アメリカは満州における日本の独占を嫌っていたのですよね?それは日露戦争後に日本が手に入れた南満州鉄道の権益をアメリカが共同で管理しないか?との持ちかけを小村寿太郎が断ったことに端を発するのですよね?」

「よく勉強しているのね、さすが高木くんだわ。その通りよ。正確にはアメリカの鉄道王のハリマンが日本にやってきて政府と交渉した。外遊中だった小村大使(小村寿太郎)の意見を聞かずにアメリカとの共同運営を承諾していたにも関わらず、小村が帰国してこの約束を反故にさせてしまうの。理由は、10万人もの犠牲を払ってポーツマツ条約で正式に権益を手に入れた南満州は日本が統治すべきとの強硬な意見だった。ルーズベルトの母方デラノ家は中国のアヘン貿易で財を成した家系で、今のルーズベルトはこのデラノ家が無ければ大統領にはなっていないことから、親中国派だった。もう一つは、1929年に起こったニューヨーク市場の暴落に始まる世界恐慌からアメリカを救うことは戦争しかないとの判断だったの」

「では、アメリカは何としても正当な理由で戦争がしたかったのですね?」

「そう、それが太平洋戦争の本当の原因なの」

「日本は嵌められたという訳ですね?」

「まずね、アメリカは環太平洋地域での主導権を狙っていた。それは日本、中国、東南アジア、太平洋を含む南北アメリカの地域。その中で日本は独自に大東亜共栄圏構想というのがあって、アメリカの構想の邪魔になっていた。ヨーロッパの連中に好きなように中国を支配されたから、アメリカはその遅れを取り戻したいと考えていたの。
そこへもってきて日本が満州に居座っているから、何とかしたいとルーズベルトは思った。日本は日英同盟を結んでいたからアメリカもうかつには手を出せなかった。ヨーロッパでのドイツの侵攻に手を焼いていたイギリスは何とかアメリカに参戦して欲しいとの打診をしたけど、モンロー主義というヨーロッパの政治には立ち入らないという方針が邪魔をして助けられなかった。
1923年にイギリスは日英同盟の継続更新を断ってきた。それはアメリカが強く迫ったからなの。その背景にはアメリカのヨーロッパ戦線への参戦を匂わせたのね。後は正当な理由よ。
日本が先に銃を抜けば、1.イギリスを助けることが出来る。2.中国を助けることが出来る。3.環太平洋圏を実現できる。
との読みがあった」

「先生、日本はイギリスと仲良くしていればアメリカが手を出せないと言う事を理解できていなかったのでしょうか?」