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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 「SOSの子守唄」

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第九話 子守唄



「アッシュ、どうして、男の子を起こすの?」
「この子守唄を、止めようと思ったのです」
「そんな必要ないわ」
「すみません。もう起こしてしまいました」

 私は男の子に駆け寄った。
「大丈夫よ。助けに来たの。安心して。この船は安全だから」
「あなたは誰? 知らないアンドロイドだ」
「私はエル。一度会ったことがあるのよ。あなたお名前は?」
「僕は『Cue(キュウ)』って呼ばれてる」
「何歳なの?」
「生まれてから、8年と3ヶ月と12日、2時間18分45秒」
「長い間寝ていたのよ。すぐには動けないから、ゆっくりしていてね」
「エルは、やさしいね。感情があるの?」
「ええ。そうよ」
私はキュウが持っていた装置、おそらく玩具のスイッチを切って、ミュージックを止めた。
「この子はタック。かわいいでしょ」
「すごい! 動物だ。はじめて見たよ」
「かわいがってあげてね」
私はタックを、キャスケットに横たわるキュウのお腹に載せてあげた。