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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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L K 「SOSの子守唄」

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 ケイのメッセージをすべて確認するのに、13時間かかった。作業報告以外に、個人的な内容も多かった。敢えて人間的な話し方を練習してるのね。最後のメッセージには、彼の気持ちが込もっていたように感じるわ。私には昨日のことですって? こんなに離れているんだから、私もケイに会いたいのよ。

『・・・あなたにとっては昨日のことですが、私は、2年半待ち続けています。早く、恋しいエルの顔が見たい』
 膝の上のタックが、空間モニターに映るケイの顔を見て、「ニャー」と寂しげに鳴いた。

Peeeeeeeeeep!(呼び出し音)
[エル。コクピットへ早く。船を発見しました]

 本船は、その難破船とのランデブーポイントに到着した。それは亜空間断層から予想以上の距離を漂流していた。

「ごく小規模のブラックホールに引き寄せられているようだ」
「長距離スキャンでは、そんな数値は計測出来なかったわ」
「亜空間断層の影響で、隠れてしまっていたのかもしれない」
「まだシュバルツシルト半径(ブラックホールからの脱出不能距離)からは程遠いわね。この距離なら遭難する危険はないだろうけど」
「しかし数年でブラックホールに飲み込まれてしまうだろう」
「物資の回収は今回が最後のチャンスになるわね。何年もかけてアップルと往復出来ないわ」
「アップルとは?」
「私の星の名前よ」