ありふれた恋の物語
別に瑞樹に対して負い目を感じていたわけではないけど、俺は高校を卒業した後は大学に通って教育学を学び、中学教師になった。
俺は元々サッカー選手になりたいと思っていたのだが、怪我を機に夢を断念することになった。
その時たまたま興味を持ったのが教師という仕事だったわけだ。
少なからず影響を受けたのかもしれないが、断じて、負い目を感じていたわけではない。
俺は一人称を直した。教師になるのだから、自分のことを“俺”と言っていては生徒が少し恐怖感を抱くのではないかと思ったからだ。
決して、負い目を感じていたわけではない。
髪の毛も短くした。特に深い理由はないはずだ。