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何かあるの?

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「来週の土曜日…空いてる?」

 電話してきた睦月さんに、文月さんは応じました。

「特に予定はないけど?」

「笹本神社に、一緒に行ってくれない?」

「何かあるの?」

 暫くの沈黙の後で、睦月さんは声を絞り出します。

「─ 植木市?」

「…何で疑問形?」

 再び押し黙った睦月さんに、文月さんは確認しました。

「─ で、植木市に、何しに行くの?」

「私に聞かれても…判らない。。。」

「話が…見えないんだけど?」

「…自分が知らない予定が 勝手に増える手帳の話、聞いた事ある?」

「─ 初耳。」

「… 最近、手帳…買ったんだよね、私。」

「…」

「その手帳に…書いた覚えもな予定が、増えててね…」

「─ それが、土曜日の植木市?」

 文月さんの言葉を、肯定した睦月さんが問い掛けます。

「…これって、従わないと どうなっちゃうと思う?」

「─」

「文月…さん。一緒に…行ってくれる、よね?」

 縋る様な声の睦月さんに、文月さんは言葉を返しました。

「で、駅前のいつもの場所に、何時に居れば良いの?」

作品名:何かあるの? 作家名:紀之介