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日付が変わった瞬間に

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「…今、年が明けましたー!」

 日付が変わった瞬間に、葉月さんは声を上げました。

「明けまして、おめでとうだねぇ」

 おっとりと、霜月さんが挨拶の言葉を口にします。

「今年も残す所…あと364日か」

 何故か嬉しそうに、呟く如月さん。

「で、何処にお詣りするんですか?」

 尋ねる葉月さんに、霜月さんが答えます。

「笹本さんの お墓で、良いなじゃないかなぁ」

「…お墓に、何しに行くんですか?」

「初詣。」

 如月さんが、口を挟みました。

「霜月が墓って言ってるのは、笹本神社の事だから。」

 後を受けて、霜月さんが説明します。

「─ あそこは、戦で討ち死にした 笹本さんを祀っているんだよねぇ」

「?」

 煙に巻かれた顔の葉月さんを、如月さんが促しました。

「とにかく、初詣に行こうか。」

作品名:日付が変わった瞬間に 作家名:紀之介