霊感少女 第二章 一部
封印を解く鍵
さて どうしよう
地縛霊に 喧嘩を売られてしまった
【怨念の塊】
拘わり合いたくない
……しかし
あの呪札が 地縛霊の封印でないとなると
いったい あの呪札は
何を封印しているのだろう
【私の勝ちね】
……意味が わからない
学校の七不思議
【血文字の壁】の怪談話が 実話だとしたら
地縛霊の正体は
ノイローゼで 自殺した
生徒の霊かもしれない
……なるほど
だとしたら まだ あの霊は 自分が 死んだ事に 気付いていない可能性が ある
まだ 現役の女子高生で いるのかもしれない
この学校の教室で
授業を受け続けている
毎年 同じ教室で
同じ授業を
繰り返し…繰り返し
……そして
毎年 行方不明者が 一名
学校から 消えている
狙いは 何?
怪談話の内容が 真実に限りなく 基づいているとしたら
……………嫉妬
想うように 成績の上がらない生徒が 何不自由なく 簡単に上位の成績を獲得する生徒を怨む
それも 容姿淡麗で 尚且つ天真爛漫に振る舞う姿は
厭味にすら 感じていたかもしれない
…………逆恨みだ
踊り場に 書かれた
[園]の文字
教室で聞こえた
[家に行け]の声
行方不明になった生徒
すべてが [園部 香奈]と繋がるとしたら
やはり 踊り場の壁に
何か 秘密が あるのかもしれない
……埋め込まれた呪札
閉ざえた香奈の霊魂
……あの呪札
行方不明者を 封印しているのか?
だとしたら地縛霊に 構っている場合では ない
最初から 勝ち目など
ないのだから
除霊が出来るわけでもないし 素直に応じるとは 思えない
無駄な事に 時間を費やしている場合ではないのだ
由美を 救い出さなければ
でも……どうやって…
……一か八か
やるしか ない
可能性が ゼロでない事に
賭けるしか ない
※文字数制限の為 二部へ 続きます
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作品名:霊感少女 第二章 一部 作家名:田村屋本舗