霊感少女 第一章
学校の怪談話
僕の彼女は 霊感がある
一見 普通の高校生だが
制服を脱ぎ私服になると
何故か 黒い服が 多い。
薄茶色の長い髪は
前髪を眉の隠れる位置で 真っ直ぐに切り揃え
黒いワンピースから
色白の細い腕が 妙に長く見える女だった。
名前は 相楽 望。
〔相楽〕と呼ばれている
黒いワンピースの大人びた〔相楽〕の横には
至って 平凡な僕。
何処にでも居る高校男子だ。
TシャツとGパン姿に 個性は まるで ない。
全く 不釣り合いな二人だが お互い我関せずだった
そんな彼女を連れ
僕の友人達と遊びに行くと
何故だか 怪談話になる
ファミレスで食事していても
「そう言えばさ この間…」
そんな会話から 怪談話になるのだ。
カラオケに行けば
「この歌にさ 霊の声が…」
なんて会話になり
最終的には 怪談話になる。
その都度 無表情の相楽が
「話すると 寄ってくる」
と 一瞬 嫌な顔をしながらも 興味津々な友人達に 期待されつつ
いつしか 怪談話は 幕を開ける事になる
霊感のある〔相楽〕の怪談話は 実際にあった話なのか 作り話なのか
身の毛がよだつ話が 多い
しかし僕らが 通っていた学校の怪談話を語るのは 何故なのだろうか…