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田村屋本舗
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貴方に逢えて

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翌日 律儀に返事をしてくれた恭一


返事は 見事な
”失恋”


だけれど後悔はないの


真剣に考えてくれた答えでしょ
とても嬉かったもの


「ありがとね」


忘れてくれとは
言いません


これからも職場の仲間として
いままで通りで
いてくれますか


これが最初で最後の
我侭です


願いを聞いてくれますか


優しい恭一は
恭一のまま
何も変わる事なく


「これからも よろしく」


これが 小さな失恋の
終止符になった




あれから
恭一とは
何も変わらず
先輩後輩の絆を続けている


遠慮なく彼女の話を
してくれる恭一が
嬉しい報告を聞かせてくれた


「結婚する事になった」


胸が痛まないと言ったら
嘘になるけれど
祝福の心の方が
遥かに大きい


「おめでとう」


どうか
幸せになってください


優しい失恋を
”ありがとう”




誰かと恋愛をして
別れがあり


それを失恋と言うけれど


始まらない恋でも
失恋は失恋


二人で築き上げた
沢山の想い出もないけれど


長い時間を掛けて
胸に育んだ
苦しい片想い


今でも恭一の優しさに
胸が高鳴るけれど
以前のような痛みはないが


やっぱり
恭一を愛してよかったと
後悔のない片想いは
持続するものだ




振られてしまったけれど
忘れられぬ恋心


今でも密かに
引き摺っています


振り向かない恭一の背中を
まだ眺め続けています


もう少し いいよね


独りよがりな恋だけれど
失恋を噛み締めて
いたいのです



相変わらず
母は暢気な人で


母の本日のマジボケ


某オンエア中番組見て

『この人男前、男前言われてるけど、男前ゆう名前?』


すかさずツッコミ入れました




母の言葉に
涙が零れます


「男前やな」


恭一から貰った
忘れられぬ言葉に


失恋して始めて


泣き笑いをしました



作品名:貴方に逢えて 作家名:田村屋本舗