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過去

僕は
僕の過去から
逃げて来た者


辿り着いた地で
得たモノは
迫害と真実


所在地のない人物に
仕事はなく


人目に触れない
高速道路の河川敷に
身を屈め


訪れる夜を
徘徊する


小銭を握る音だけが
僕の存在価値


“逃げて来たんだ”


あの町から


消えたかった
あの町


戻りたくない
あの町


１通の封書に
刻まれた町


彼が眺める
１枚の書類に記載された
僕の過去


もう
何もかも
失くなる


彼と擦れ違った道も
彼と暮らした日々も


何もかも