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田村屋本舗
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傷痕と絆創膏

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第七章傷痕の傷み




傷痕を


慰めて
欲しい
訳ではない


難しい事を
言っている
訳でもない



触れられたくない


傷痕が
ひとつ


在るだけ




人と接する事が


何よりも
苦手だ


精魂のない
無表情を
貫く意味は


怯え




人との
交流が


解らないから


意見を述べる


人との
対話が


解らないから


拗れてしまう



だから


人と接する事を
嫌い


独りを
好む



怯えないでと


差し出される
優しい手に


触れるたび



置き去りに
されてきた



人を失う
心の傷


化膿止めの薬を
処方され
服用しても


傷痕は
残る



束縛を
強いている
訳ではない


拘束を
強いている
訳でもない



些細な外泊


理由なく
姿を消す


意味不明な
行動




置き去りにされた
傷痕が



全身を
襲う




言い訳を
告げられても


恐怖しか
なく


傷痕に
支配される



傷痕を
抉りたくは
ない



瘡蓋にした
傷痕を
弄りたくは
ない





傷痕を
癒す


絆創膏を


拒絶する
理由




傷痕と絆創膏




~END~
作品名:傷痕と絆創膏 作家名:田村屋本舗