circulation【4話】緑の丘
ベッドの中に伸ばした手足が重く、鉛のように感じる。
連日床の上だったこともあり、三日前の疲れもまだ尾を引いているようだった。
目を閉じると、先ほどのフローラさんの話が頭に浮かぶ。
もう、あれから八年か……。早いものだなぁ……。
浮かんでは消えて行く思い出を辿りながら、少しずつ、少しずつ眠りへと落ちてゆく。
初めてデュナ達と三人で冒険に出た日の事。
フォルテと出会ったのも、この日だった。
魔法使いの養成所での二年間。
あの頃の友達は、今頃どんな仲間と過ごしているのかな……。
スカイと学校に通っていた日々。
スカイが先に卒業するまで、三年間は毎朝二人で家を出て学校に向かってたなぁ。
その前は半年ちょっと、デュナも一緒に三人で、わいわい学校に行ってたんだっけ。
そして、父に連れられてこの家に来た日……。
ぼんやりと、あの日の事を思い返しながら、私は眠りについた。
作品名:circulation【4話】緑の丘 作家名:弓屋 晶都