口紅 ~rouge~
存在
中学
高校
僕は
存在して
いただろうか
僕が所属する
教室があり
僕の席が
ある
僕の出席番号が
あり
ロッカーや
下駄箱が
ある
それだけで
十分
必要な問い掛けに
応え
必要な質問を
問い掛ける
それだけで
会話は
成立する
反抗的な態度を
取る訳でもない
迷惑を
掛ける訳でもない
それでも
存在は
存在なのだろう
そして
就職をする
仕事に必要な内容を
教えられ
必要事項や
必要な連絡を
伝え
必要な助けを請い
必要であれば
手助けを
する
休憩中の雑談に
問い掛けられれば
応え
冗談話に
耳を傾け
笑う
それだけで
十分
僕の存在は
それで
十分
作品名:口紅 ~rouge~ 作家名:田村屋本舗