秘穴
「やっぱりコンビニじゃ種類があんまりないですね、この中から選ぶならやっぱりシンプルな無地ですね」
「そうだね、それにするよ」
「今度、ちゃんと選ばせて下さい」
「え?」
「出来れば、この先もずっと選びたいな……」
「それって……」
「山田さんの嬉しそうな顔を見てたら、私も……とか思っちゃって……」
「お、俺もだよ……」
「本当ですか?」
「うん、美歩ちゃんと幸せになれたらな……なんて」
「私? 私で良いんですか?」
「良いも何も、他の娘になんか目が行かないんだけど……」
「嬉しい……」
「そうだ、明日、山田の赤ちゃん、見に行こうか?」
「あ~! 良いですね、それ!」
と言うわけで、一年後、俺は自分で洗濯しなくても良い身分になった。
そして、あの時の破れた靴下はちゃんと洗濯して大事にとってある、俺たちの縁結びのラッキーアイテムだからね。
(終)