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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 16話から20話

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 「あら、まぁ、そうなのかい。詳しいねぇ、豆奴は。
 へぇぇ・・・ずいぶん早生(わせ)なんだね、お前さんたちは。
 子猫とばかり思っていたら、もう、子供を作れる年頃かい。
 なにやらまるで、お前さんたちの子作りのための旅行になりそうです。
 変なお膳立てを作ってしまったようですねぇ。うふふ・・・」


 「笑い事じゃありません。お母さん!」


 「まぁまぁ、そうそう目くじらを、立てなさんな。
 隣の女の子も今回は長くかかるようです。
 母親も1ヶ月ほどは病院で、寝泊りをすると言っております。
 誰もいない部屋に、ミイシャを置いておくのは可哀想じゃないか。
 枯れ木も山の賑わい。旅は、大勢の方が楽しいに決まっています」


 春奴母さんが、清子の膝でウトウト眠りこけている2匹の様子を、
助手席から嬉しそうに振り返る。満足そうな顔で眺める。


 「お母さん。ネズミは子沢山で有名ですが、猫も負けずに多産です。
 1度の出産で、2匹から、最大で6匹まで産むそうです
 油断していますと、あっというまに家中が、猫だらけになってしまいます」


 「結婚もしていないし、子供も産んでいないくせにお前は
 猫に関しては、妙に詳しいですねぇ。
 お前の過去の愛人の中にもしかして、猫好きな男性でもいたのかい?」


 「お母さん。後ろの席で清子が聞いています。
 発言には、くれぐれも気をつけてください。
 大きなお世話です。
 結婚しないのも、子供を産まないのも、ぜんぶ私の自由ですから。
 そういうお母さんだって、独り身のまま、過ごしているじゃありませんか」

 「あたしゃお前さんたちを育てるために、忙しかっただけの話さ。
 断っておくが、言い寄ってきた男たちは山ほどおりました。
 こう見えても、あたしだって女だよ。
 この人とならと思う男性が、1人や2人おりました。
 それなのに。あたしが女として一番脂の乗り切っていたその時期に、
 次から次へ、弟子入り希望者がやってくるんだもの。
 お前のように男とイチャイチャする暇なんか、頭の毛ほども無かったねぇ」