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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「歴女先生教えて~」 第三十五話

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「そうね、渡辺くんのいうことは精神的にはそうね。家光は幼くして徳川三代目将軍となったけど、家康の敷いたレールに乗っかっていたから強権を振るうことが出来た。徳川家に逆らうことは破滅を意味するというぐらいに封建制度は成熟していたの。戦いのない世の中は優れた文化を生み出したし、芸術も生まれた。鎖国という制度がやがて黒船の到来で終わるんだけど、それまでは侵略もなく平和な江戸時代だったと言えるわね」

「しかし、忠臣蔵のような事件もありましたし、江戸市中は切り捨て御免などの武士による横暴があったと聞きます。それでも平和だったと言えるのでしょうか?」

「渡辺くんの疑問は当然よね。短期的にはいくつかの事件や事変があったけど、長期的に国内が戦乱になったことは無いの。幕末・維新が江戸時代というならその時が一番長くそして過酷な内乱だったと言えるわ。そのことはこの後で話すことにする。では、江戸時代と聞いて一番何を思い浮かべるか答えて」

「先生!」

「じゃあ、加藤くん」

「幕末・維新以外だと、何と言っても吉良上野介を討った赤穂浪士の義挙ですね」

「加藤くん、義挙というのは正しい行いという意味よ。江戸城内で一方的に吉良上野介に浅野内匠頭は斬りつけたのよ。御裁きは内匠頭に即切腹だった。主君の乱心で浅野家は断絶。家老大石内蔵助はどうして仇討をしたとおもう?」

「それは主君の仇を討つという単純な思いなんじゃないんですか?」

「主君は乱心してお咎めを受けたの。だとしたら敵討ちは逆恨みとされるわ」

「う~ん、そうか・・・では義挙ではなくテロなんですね」

「テロか・・・そうね、テロなら忠臣蔵にはならないわよね」

「真相はどうだったのですか?」

「まずね、殿中で行われた内匠頭と上野介との刃傷沙汰は喧嘩だったのか、一方的な攻撃だったのかということよね。傷を負った上野介を治療していた医師、栗崎道祐の証言によると、老中の判断は喧嘩両成敗だったの。なので、栗崎に治療を止めるように命令があったの。しかし、将軍である徳川綱吉はこの判断を無視して、内匠頭の行為は個人的恨みをもってそれも城内で刃傷沙汰に及んだということで不届きであるから即切腹と言い渡したの。この判断に大石は不服があり、後に有志を募って吉良邸に討ち入るのね」

「綱吉は生類憐みの令などで知られる暴君ですね。江戸市民は震え上がった事でしょう」

加藤のこの問いは多くの日本人が学んでいることに違いないと美穂は思っていた。